MY ROOM -spring 葛藤--2
キンコーン、カンコーン
「えー授業の前にお前達に話がある。ここは県内屈指の進学校であり、男子校だ。勉強するには最高の場所じゃないか?この際一切の邪念は捨てろ!女なんてもってのほかだ!分かったな!!勉強だけやればよろしい。」
追い撃ちをかけられた。
高村が冷たい目でこっちを見てる。
「はーい。」
クラスのみんなが声を揃えた。
「よーし。それでは予習ノートを集めるから持ってこい!」
‥ヤバイ
「はいオッケー、次!ん?どうした不破?やってないのか?」
「‥すみません。昨日疲れて寝ちゃったんです。」もう嘘をつくのは慣れた。
「そうか、珍しいな。まぁ、不破は予習しなくてもできるもんな!ハッハッハ待てよ、まさかお前に限って女ができたなんてことはないよな!おい。」
「なっ、まさか!センセ冗談はよしてください。」
変な汗かいてくる。
ん?高村ぁ、頼むからこっち見るんじゃねぇよ。
「ハッハッ。悪かったな。でも、次回は出せよ。」
「‥はい。」お昼休み。
はぁ、やっぱり‥辛い。弁当を食べながらもの思いにふけっていた。すると、
ブーゞブーゞ
あれっ?メールだ。誰だろ?‥‥‥あっ!楓だ!!学校の時にくるなんて、珍しいな。どうしたんだ?
「えー!!」
思わず大声を出してしまった。‥だって‥
[鷹文、今すぐ会いたいよ。ダメ?]
そりゃ、会いたいさ。でも、これって午後の授業サボるってこと‥だよね。サボるなんて、不良のやることだろ。どうしよう。。
まいったな。でも、結論が出るまで時間はかからなかった。
‥‥会いたい。
ガタッ‥
急いで机の中を整理し、かばんに詰め込んで教室の出口に走った。
「あれっ?不破ちゃん帰っちゃうの?」
高村だった。
「あ、あぁ。悪いな。先生に言い訳しといて。」
「‥女のところに行きましたって?」
足が止まった。
「えっ?」
「あの女に会いに行くんだろ!?不破っ!!?」
声は荒く、高村がオレを呼び捨てしたのはこれが初めてだった。