男と女の愛の告白-1
「ゆきえの告白」
その1
あきひと、こんばんわ、お元気かしら、
この間、逢ったばかりなのに、もうあなたに逢いたくて、
あなたを思うと体が疼いてきます、
わかるでしょう、こんな私を、笑って
いま、外は雨が降っています、私の心のように、しとしとと、
心で泣いているのかしら。
だって逢えないのですもの、今度の週末までに、あなたもそうでしょう?
私にはわかるの、今貴方がなにを考えているのか、
逢って私を抱きたいのでしょう、わたしも同じよ・
窓からは緑の葉が息づいているわ、たっぷりと露を含みながら、
思い出すわ、初めてあきひとと逢ったときのことを、
あの日も雨だったわね、雨に濡れてビッショリになっていた私に傘を貸してくれたわ、
そして自分はそのまま立ち去っていこうとしたあなた・・
わたし、嬉しくてあなたを追いかけたわ、早いのですもの、あなた足が・・・
でも、結局二人とも濡れちゃって、今考えるとおかしいわ
やっとつかまえてあなたに何か言いたくて・・でもいえなかった
顔を見ているだけで言葉が出てこない、どうしてなのかしら、
あなたの澄んだ瞳を見ていると、引き込まれそうな気がしたわ、
「いいのに、こんな傘、わざわざ返さなくても・・・」というあなた
「でも・・・」
「また濡れてしまいましたね、風邪をひきますよ、お近くですか、家?」
「・・・いえ」
「そうですか、でも、どこかで乾かさなくては・・」
そういいながらも、あなたは私をじっと見ていたわ、私の顔を・・