Lesson xxx 4-2
「先生…。ありがと…」
先生が保身のために始めた補習であっても最後まで付き合って、ちゃんと教えてくれた。
これでも内心は感謝してたんだよ。
泣くつもりはなかったけど気が弛んだのかポロっと涙が零れた。
「……ホントお前は…」
先生が呟いたと思ったら次の瞬間、私は先生の腕の中にいた。
「先生…!?」
「…ご褒美やるよ」
先生の低い声が耳元で響いて、まるで催眠術にかかったように私は目を閉じた。
軽く唇が触れ合う。
何となく物足りなくて先生を上目遣いで見ると意地悪い笑みを浮かべてる。
「何だ?」
わかってるくせに…。
でも先生は素知らぬ顔で軽いキスを繰り返す。
私がしたいキスはこんなのじゃない。
我慢出来ずに先生の首に回した腕も外された。
きっと今の私はすごく物欲しそうな顔をしてる。
「もっと…して…よぉ…」
ため息にも似たような声を出した私に先生がクスっと笑った。
「少しは俺の我慢がわかったか?」
先生はそう言うなり私の後頭部を掴んで深く口づけた。
唇が強く吸われ舌が口内をくまなく這う。
ようやく満たされた私は自分から舌を絡めた。
「ふっ…ぅ……んッ」
鼻から抜けた声は自分のものと思えない程甘かった。
もうこのまま先生と溶け合ってしまいたい…。
名残惜し気に唇が離れて先生が私の肩に額を付けて唸った。
「あー…」
「先生?」
「やっぱさー…。俺、お前の事生徒として見れないわ」
それって…。
「私が出来の悪い生徒だから…?」
先生は不機嫌そうにため息をつく。
「先生のおかげでだいぶみんなに追いついたし、今度のテスト頑張るし、それに…えっと…最初は先生が自分の事しか考えてないってムカついたけど今では感謝してるし……。だから…見捨てな…ぃ…で…」
先生に聞いてもらおうと必死に話して、最後の方は涙声になっていた。