想-white&black-C-1
「どうした? まだ先の方しか入ってないんだがな。そんなようじゃこれからもっときついぞ」
そんなの知らない。
それよりこの痛みがまだ続くのかと思うと気を失いそうだった。
だが皮肉なことに楓さんから与えられる痛みがそれを許してはくれなかった。
「ああ、お願い……。も……うごか、ない……で」
痛みにあえぐ口をようやく開いても楓さんは私を見つめて笑みを浮かべるだけ。
「よく覚えておくといい。花音、お前が俺のモノなったということを」
「いやああぁぁっ」
両手で腰を掴まれ一気に貫かれた。
その痛みは本当に身体を引き裂かれたかと思えた。
「い、痛い……っ、楓さ……ん……」
「花音、花音……っ。動くぞ」
楓さんはそう言うと汗で額に張り付いた髪の毛をそっとはらい、優しくキスを落とした。
背中から腕を回し私を抱き締めるようにすると、ゆっくりと動き始める。
「ああっ。く、ぅっ……、いた……いっ」
「ああ……、さすがにキツいな」
楓さんはどこか噛みしめるように感嘆の溜め息を漏らしながら腰を押し進めてくる。
身体の中に入り込まれる度に下腹部の奥に激痛が走る。
手を縛られ、身体を身体で押さえつけられている状態では抵抗も何もできない。
ただこの最悪な時が過ぎるのを待つだけだ。
「あっ、うう……っ、助けて……」
「言っただろう? 誰も来やしないさ。泣こうが喚こうが俺が呼ばない限りこの部屋には入れない」
楓さんの動きが段々とスピードを増し始める。
濡れていたために滑りは良かったものの、初めて開かれる身体にはやはりきつい。
シーツに染みを作る蜜には鮮血が混じっているだろう。
「あああぁっ……、あっ、ふ……うっ」
苦痛の声が上がる度、楓さんはなぜか不機嫌そうに目を眇めた。
「さっきまであんなに気持ち良さそうに声を出してたくせに。まあ、いずれすぐに良くなる」
早く……、早く終わってほしい。
これ以上されると身体が壊れてしまうかもしれない。
「くっ……、思ったより、俺が持たなさそうだな」
「あっ、あっ、あうぅっ」
楓さんは自嘲すると私の腰を両手でより深くを抉るように引き寄せた。
私に対する気遣いなどなく、ただ自分の快楽のままに突き上げてくるのだ。