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想-white&black-
【女性向け 官能小説】

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想-white&black-C-4

「またお前か。勝手に入ってくるなといつも言ってるだろ」

突然背後から聞こえてきた声に振り向くと、目を覚ました楓さんが上半身裸のままベッドに腰掛けていた。

部屋に入ってきた男に不機嫌さを隠すこともなく冷ややかに言い放つ。

「朝からお前の顔なんか見たくない。さっさと帰れ」

「せっかく来てやったのにそんな言い方なくね? 楓の部屋に行ってもいないからこうしてわざわざ探しに来たってのにさ」

「……チッ」

楓さんは鬱陶しそうに舌打ちをすると、ベッドから立ち上がり私の手首を掴んで自分の背の陰に引き寄せた。

「その子は誰だよ。新しい女?」

興味深そうにこちらを覗き込みながら楓の前まで近付くと、私と目が合わせにっこりと笑いかけてきた。

間近で見るその人は楓さんと同じくらい綺麗に整った顔立ちをしている。

すぐに目についたのは、楓さんと並ぶと少し低いがやはりスラリとした長身に長い手足、襟足が長めで染めているのか光に透けるような綺麗な金髪だった。

耳にはいくつもピアスが並んでいて、パッと見は思わず身構えてしまいそうな容姿をしていたが、人好きのしそうな笑顔がそれを和らげてくれていた。

ハーフのようなはっきりした顔立ちのせいか、多分どこにいても人目を引くだろう。

楓さんはどちらかと言えば気軽に人を寄せ付けない雰囲気だが、この人はもっと明るくて親しみやすい感じがする。

どちらも人を惹きつける外見だがまるで正反対のタイプだ。

「へえ、楓にしちゃタイプが今までと違うじゃん。もっと大人っぽいキレイ系が多かったのに」

「別にお前には関係ないだろ」

「ん〜、美人っつうより可愛い感じかな。でもまだちょっと幼い気もすんだけど……」

その人は私の側に近寄ってくると顔を近づけてじいっと穴があくほど見つめてきた。

楓は不快そうに眉を顰めて睨みつけているが、私を見つめてくる男は気にする様子もない。

「つーかさぁ、中学生なんて犯罪だぜ、楓」

……………は?

ちゅ、う学生?

真剣な顔で何を言ってるのかと目眩がしそうになったが、相手が本気なだけに怒りがふつふつと湧き上がってきた。

「わ、私は中学生じゃありませんっ。れっきとした高校生ですからっ」

失礼な発言をした男にそう言ってやると、その男は心底驚いたように目を見開いて後ずさった。

「え?ええぇっ、マ、マジでーっ!?」

顔を真っ赤にして睨み付ける私の前で、楓さんは肩を微かに震わせて笑いを噛み殺していた。

何とも奇妙な空気が流れた後、目を丸くして驚いていた男はようやく平静を取り戻したのか、改めて私の前に足を進めてくるとまた先程の笑顔を見せた。


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