秘密〜出会い〜-4
実際えみは可愛い。
小柄で、(本人は150?ないのを悲しんでいるけど)背中まで伸びた明るいふわふわの髪。
溢れそうな程大きな目。
笑うと、女の私でさえきゅんとしてしまいそうな可愛い笑顔。
こういう女の子には、かっこいい彼氏が似合う。
それに比べて私なんて、可愛くないし、胸なんて無いに等しいし…
あっでも、自分で言うのもなんだけど、上半身は細いと思うの!
でも、足が太い…
唯一誇れるのは、このストレートの黒髪。
結構誉められることが多いの。
それが嬉しくて、未だに染めたことがない。
「髪、染めようかな…」
毛先を摘んでぽそりと呟いた。
「ん?何か言った?」
えみの問いに
「ううん、何でもない」
私は慌てて否定した。
放課後。
ホントは今すぐにでも帰って寝たいトコなんだけど、昨日見損なった暗室を一目見ようと、私は部室に向かっていた。
ガチャっとドアを開けると
「あっなっちゃん!」
「まぁ先輩。こんにちは」
ぺこっと軽く頭を下げる。
「ちょうど良かった。
コイツ、昨日居なかった瀬田陸(せた りく)
陸、彼女が昨日入部してくれたなっちゃん」
「どうも、澤井夏実です。
よろしくお願い、します…」
瀬田先輩は私が挨拶してる間、食いいるように、私を見つめていた。
私が不信に思い始めた頃。
まぁ先輩が『陸?』っと声をかけようとした時
「この子だ!!」
瀬田先輩が急に大声を上げ、私を指さした。
「まぁ、この子だよこの子!昼間話した居眠り女!!」
「え〜!あれ、なっちゃんだったの!?」
私には何のことだかさっぱりわからず困惑していると
「陸がね、食券買うんで並んでたら、前にいた女の子が立ったまま寝てたって言うんだよ。
俺は見間違いだって言ったんだけど、陸ってば、絶対寝てたって言い張るんだよ」
まぁ先輩の説明で思い出した。
確かに
「確かに、後ろの人に言われるまで、食券買うのが自分の番になったの気付かなかったですけど、ぼーっとしてただけで、寝てた訳じゃ…」
私が説明していると
「いびきかいてたよ」
ニヤニヤしながら瀬田先輩が言った。