遠恋ーえんれんー3-2
「泪さんと別れたの‥?」
「‥違うよ。だから安心して。体調が悪いだけ。」
泪とは別れては‥ない。
じゃあ今の関係はなに?
自分でもわからない。
恋人なんて甘いものじゃない。
友達なんて味気ないものでもない。
じゃあ今のあたしと泪の関係はなんなの?
「美音‥」
なおも心配する茜に笑いかけようと顔を上げると、
「蓮‥?」
いつの間にか蓮が立っていた。
「君に話がある。」
「あたしはないわよ。」
「僕にはある。」
そう言って強引に手を引っ張られる。
痛い。冗談抜きに痛い。
「いてぇよ!手ぇ掴まないで!はーなーしーてー!」
「うるさい。食堂で騒ぐな。茜、悪いけど美音借りてく。」
呆気に取られてる茜にそう告げると、蓮は無理矢理あたしを食堂から連れ出した。
食堂を出る寸前に見た茜の顔は酷く傷付いた顔だった。
泪の話をした時に見た、蓮の傷付いた顔によく似ていた。
「あかっ‥あかね‥っ」
名前を呼びたくても、蓮に手を引っ張られてるあたしは途切れ途切れにしか茜を呼べない。
そうこうしているうちに大学の中庭まで引っ張り出されてしまった。
「茜には後で僕がちゃんとフォローする。だから今は気にするな。」
「違うの!茜が傷付いた顔してたから‥」
「‥そか。わかった。ちゃんと説明しとく。」
ちょっとだけ苦い顔をして、蓮はうつむいた。
「話ってなによ。」
蓮に突っ掛かるように聞く。
茜にあんな顔させやがって!