囀ずり酔いしれ-5
びしょびしょに濡れたシーツを洗濯機が洗う音が響く。
夜中だから、特に。
「苦情とか言われないといいんだけどなぁ」
「ごめんってば」
腰が痛くて起き上がれない私の代わりに色々してくれたハルは、ちょっと困ったように呟いた。
「んー…で、どうしたの?ハルは」
「ちょっと駅前でスーツの男といる紗英さん見つけて……やるせなくて」
不安にさせちゃったか。
男の先輩と飲みに行く途中だったし、スーツだったのも学生のハルには痛かったんだろう。
「……ごめんね?」
「謝んないで。余計やるせなくなるから」
了解のキスをしながら、もう男の人と飲みに行くのやめよう、と痛む腰に決意した。
私には鶯がいるからいいんだ。
他の男の人なんていらない。
そう思っちゃう私はきっと鶯に酔ってる。
好き、大好き。
私のかわいいひと。