……タイッ!? 第一話「守ってあげタイッ!?」-8
――あたし、レイプされちゃうのかな?
この後に及んでまだどこか期待する気持ちがあったのは、楽観的すぎるのではないだろうか?
「なあ、お前誘ってんだろ?」
悟の歪な笑い顔は生理的に受け付けそうに無い。それでも目を瞑ればなんとかなる。
「理恵さん。いっつも俺たちにお尻見せ付けてくるもんな」
真吾は図体のわりに気が弱そうな雰囲気があり、男気というものが感じられない。
だが、アレのほうはしっかり硬くなっているのだろう。
「俺、もう我慢できないよ……早くやっちゃおうよ……」
誰かの後ろについて回る和也は金魚の糞という印象。脅せば引っ込むだろうと楽観視。
「別に、誘ってなんかないよ」
理恵の場合、身体の発育が何故かお尻に集中していた。
少し前までは大きな丸いお尻はコンプレックスに過ぎなかったが、あるイタズラをきっかけにそれは自慢へと変身した。
イタズラの内容は簡単で、男の子の前でブルマを直すという程度。その時、ショーツを少しだけ見せること。男子の視線が下がっているのを確認したら「エッチ」と
笑ってあげればいい。ただそれだけで、男子二人の告白を吊り上げたのだし。
「理恵さんってエロイ体してるよな……」
真吾の手がお尻に伸ばされると、理恵は反射的に避けようとする。しかし、背後に回った和也に肩をつかまれ、身動きを封じられる。
「ひぅ……」
指先が触れた瞬間、寒くもないのに体が震えた。
元彼に触られたことを思い出すも、あの時は興奮と羞恥のせいでただ舞い上がっていた。
同じ指先ではない。力加減も違う。恋愛感情も無い。
だから不快。
しかし、疼く。
それが不思議だった。
「可愛いなあ、理恵……」
悟は遠慮することなく、発育不全の胸を触り始める。
部活の後、たまにブラを忘れる理恵は、このタイミングでもしっかり忘れていた。
「お、すげー、ノーブラじゃん」
ブラウス越しに感じる弾力と乳首のふにっとした感触に悟は興奮し、わしわしと弄るようにしだす。
「ん、や、やだ……あんまり乱暴にしないでよ……」
「マジでブラしてないの? やっぱり理恵さんエッチなんだ……」
「そんなことないよ。ブラするの忘れただけだもん」
抵抗しようにも二の腕を掴まれ、おまけにうなじを舐められる。急ぐあまりシャワーをしないできたから、きっと和也の舌は乾いた汗を……。
「理恵さんの……、すげーショッパイ。汗臭くって、なんか良い……」
「ちょっと、女の子に向って臭いとかありえなくない?」
「だって、本当に臭うし……」
「ムカツク! もう帰る! 放しなさいよ!」
比較的ひ弱な和也なら楽に振りほどける。しかし、お尻を楽しむ真吾とオッパイを弄る悟は?
「おっと、どこ行くつもりだ?」
男子の力にかなうはずも無く、多勢に無勢の状況では活路も見出せない。
「何がわきまえろよ。ばっかじゃない? あたしはねえ、アンタらみたいなデリカシーのない男の子と遊ぶつもりは無いの。ほら、どきなさいよ!」
真吾の肩を突き飛ばそうと手を出すも、悟にぎゅっとつかまれてしまう。
「い、痛いってば、放してよ。お願いだから放してよ」
「逆らうなよ。抵抗しなけりゃ気持ちよくあそべるんだしさ……」
カチャカチャと金属音。そしてずささと衣擦れの音。
暗い教室に差し込む廊下の光でも充分にわかるほど膨らんだ彼等の股間。