投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

想ぃの行方
【青春 恋愛小説】

想ぃの行方の最初へ 想ぃの行方 20 想ぃの行方 22 想ぃの行方の最後へ

想いの行方V-1

一番の親友。

良き理解者。

常に味方。

だけど時にライバル。

なんだかずっと、あいつには勝った気がしねぇ。

負けっぱなしなんて柄じゃねーんだよ。





【想いの行方・矢田潤平】


俺は今すこぶる不機嫌だ。

原因は目の前で楽しそうに話している三人。



「矢田、そんなにいじけるなよ」

「うるせっ。いじけてねー」



親友の英士は呆れたように息をついた。

三年での新しいクラス、俺だけ隣のクラスになった。

なのに、目の前の三人は楽しそうに話している。

親友:速水英士
俺の彼女:西野心
彼女の友達:佐田麻衣

なんて薄情な奴らなんだ。

特に心は俺と離れて悲しくないのか?



「ま、友達なんていっぱいいるでしょ」



……悲しくないらしい。

いいさ。

心が実は俺の事好きなのは分かってる!

キーンコーンカーンコーンなんてマヌケな予鈴が鳴ると、早く自分の教室に戻れと心に背中を押された。

渋々隣の教室へ移動する。

廊下からちらりと振り返ると、英士が心にDVDを貸していた。

素直に喜んでいる心。

………まただ。

何か負けたようなこの感じ。





英士とは小学校からの腐れ縁だ。

楽しい事もヤンチャな事も何でも一緒に経験してきた。

俺はいつもやりすぎる。

それを英士はいつの間にか一歩下がって見てて、いざとなったら見事なフォローを繰り広げる。

性格的にもほぼ真逆な人種、趣味もバラバラ。

だけど妙に女の趣味は似てる。

それが厄介なわけで…。


想ぃの行方の最初へ 想ぃの行方 20 想ぃの行方 22 想ぃの行方の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前