Wait For You〜Ｙ.Side〜-2
携帯の履歴から彼女だった人の携帯番号を見つめる。
もう一度やり直したいよ。
駄目な所は全部直すから。
どんな犠牲を払ってもいい。
君と一緒に居られるのなら全てを君に捧げるから…
君が今は無理だと言うのならいつまでも待ち続けるから。
“いつか”でもチャンスがあるなら、この部屋で僕は独りでも待ち続けるよ。
チャンスがあるなら。
だからもう一度考え直して。
今以上にいい男になるから。
君を不安にさせない
君を悲しませない
君が自慢できる
いい奴になるから…
震える指で受話器ボタンを押す。
流れるコール音。
拒否はされてないことに何故か期待をしている自分。
あの人は何回目で出てくれるだろうか？
ブツッと受話器を押した音。
『あ…』
小さな声しかでない。
聞きたいことは山ほどあるのに。
『お留守番サービスに接続します。ピーという発信音の後に……』
溜息と共に電源を切る。
きっと出てはくれない…
それでも待ってたら
戻ってきてくれるだろうか？
そう考えながら冷たいベッドに潜り込む。
何も食べたくないし何もしなくなくって夢の世界に逃避する。
目が醒めたら現実は突き付けられるのに。