Lesson xxx 2-2
「…じゃあ、このプリントが満点だったらな」
勉強が嫌いでもここは満点取らなきゃ台無しになる。
多分今までで一番真剣に取り組んだかもしれない。
回答を書き込んで見直しして先生に渡し採点中の手元をじっと見つめる。
先生の手がリズミカルに丸を付けて、それは最後まで途切れなかった。
「…へー。満点だ」
どーよ!
私がちょっと本気を出せばそれぐらい出来るんだから。
すごく久しぶりの満点に本来の目的を一瞬忘れて喜んでしまった。
その隙をつくように先生は私の隣に腰を下ろした。
「ご褒美だったよな?」
先生の低い声に危険な雰囲気を感じて席を立とうとした私の腕を掴むと一瞬で先生の腕の中に抱かれていた。
思わず片手で先生の胸を押しやろうとしたけど反対に手を取られ、両手を後ろに回されて手首を拘束された。
「せっ、先生…!?」
顎から頬を掴まれて先生の唇が重なった。
まるで初めてのキスの時のように目と唇をギュッと閉じた私についばむようにキスをした先生はふいに唇を離した。
「唇、開けよ」
「え?」
「今のがご褒美だなんて思ってないだろ?」
「何言っ…」
反論のために開いた唇が再び先生の唇で塞がれる。
スルッと入り込んだ先生の舌が私の舌に触れたと思ったらすぐに絡まった。
「う……んん…ッ」
思わず漏れた声にキスはさらに深くなる。
頭が混乱し、何も考えられなくなって先生にされるがままだ。
ようやく唇が解放され大きく息をつく私に先生は一言言った。
「下手くそ」
「あのねぇ!」
下手って何よ!
ってか大体不意討ちみたいなキスしてそんな事言う!?
悔しくて罵詈雑言を浴びせてやろうと顔を上げると鼻先がくっつきそうなぐらい近くに先生の顔があった。
「……!」
「次はもうちょっと楽しませろよ」
「教師にあるまじき発言じゃない!?」
勢いよく立ち上がった私に先生はわざとらしく意外そうな顔をしてみせた。