……タイッ!? プロローグ「覗いてみタイッ!?」-8
「あら嬉しい。部員に好かれるなんて、顧問として光栄だわ!」
手を叩いてはしゃいでいるピンクのジャージ女ぐらい。
「センセ、そうじゃないよ。和彦はさ、先生のことを女として好きなんだとさ」
「え? それって……どうゆうことなの? 和彦君……」
急に声のトーンが下がり、モジモジ成分が付加された声色は、同性からすると耳障り。それも年増のもうすぐ嫁き遅れといわれる世代になる彼女から発せられると、悲壮感あいなって虫唾が走るほど。
「先生、そんなことより、もう行きましょ」
里美が真吾に腕を掴まれて身動きを取れないというのに、今頼れるはずの愛理は和彦を掴んで離そうとしない。
「先生、和彦君の気持ち、知りたいな……」
「先生、愛理先生、俺、先生のこと、その、すっごく、前から、すごい気になって……」
「オナニーも手に着かないんだよな?」
背後からやはり野次が飛んでくる。
「なんでしないの? どうして?」
理由もわかっているというのに掘り下げようとする愛理は、遅れてきた思春期の発情を謳歌しているようにもみえる。
「ねえ、どうして?」
跪き、彼を見上げるようにする愛理。
「先生のこと……先生で」
和彦は目を逸らし、部室の壁を見てぼそぼそと呟きだす。
「私で?」
逃すまいと獲物を目で食う愛理。
「先生でしたかったから……」
観念したのか、恥ずかしい告白を始める餌。
「何を?」
生唾を飲み込みながら追い込み……。
「その、オ……、ナニーです……」
「ふーん。そうなんだ……」
満足したのか長いため息を着く。
「そういうの、男の子ならしょうがないよね……」
そういって愛理は先っぽが捲れかけた陰茎に触れる。
「あうっ!」
人差し指が触れた途端、和彦の上半身が丸まり、代わりに包茎のそれがニ、三度上下し、白く濁った、粘り気のある汁を撒き散らす。それらは勢いよく愛理のピンク色のジャージの胸元に着地し、ねっとりと垂れ、白い糸を伸ばす。
「う、うぅ……あ、あ、あぁ……、先生、僕、ご、ごめんな……うぅ……」
活動後の自慰会の途中だったせいなのか、興奮状態にあるペニスは抑えが効かず、さらに想い人による予期せぬアシストのおかげで童子の貞操は泣き出してしまったのだろう。
「すごい、こんなに出るんだ。それに、変な匂い……、男の子のセーエキ、変なの……」
ネームプレート付近に垂れたそれを掬い、こね回す愛理。小さな鼻に指先を近づけ、フンフンと匂いを嗅ぎ始め、首を傾げる。そして……。
「あっ!」
快感に朦朧とする和彦の目の前で、愛理はその指を舐め取る。
「先生、そんなの汚いよ。あ、ティッシュティッシュ。香山さん、持ってない?」
慌ててティッシュを探すにも半裸の下半身にはポケットはなく、状況も忘れて里美にすがる。
「やだ、変なものぶらつかせながら来ないでよ。ティッシュなら……、これ使いなよ」
里美はカウパー腺液を垂らしながら歩み寄る和彦に眉を顰めながらも、傍にあったトイレットペーパーを渡す。
「ごめんなさい、ごめんなさい……」
ジャージに付着した青臭いザーメンを拭いながら、和彦は何度も謝る。
「あん、和彦君、いまオッパイ触ったでしょ?」
「え、そんなこと……はい、すみません」
ザーメンは胸元を中心に飛び散っており、必然的にオッパイにも触れることとなるわけで、彼女を想う和彦が下心を出したところで、それは当然。
「ねえ、なんで触るの? ねぇ、ねぇってばぁ……」
跪く姿勢から立ち上がり、和彦の眼前まで顔を近づける愛理。その大胆な行動からはとても処女と思えず、むしろ年下の男の子を誘惑する歪な趣味の持ち主にも見えた。
「それは……だって、拭かないとシミになるし……」
「シミ? 何がシミになるの?」
そういって顔を近づける。
「だって、精液が、先生に……」
「なんで射精しちゃったの?」
さらに近づくと、鼻の先っぽが触れ合う。
「先生が、ハム、触ったから……ふぅ……」
喋るたびに唇が触れあい、たまに赤く蠢くものが見える。