女神ラブロリーナ-1
オレの名前はケーン。
昨日でオレもとうとう、40代になった。
今まで大した人生は送って来なかったけど、まあオレなりに頑張って来たって思ってる。
仕事もプライベートも、どちらも凄く充実しているから文句ない。
オレは今、運送関係の会社に勤務している。
卸センター倉庫内での商品の搬出搬入、ピッキング等が主な仕事かな?
もう15年以上も、この仕事に就いている。
夕方…
トラックへの積み込み作業が完了し、今日の業務は無事済んだ。
オレは辺りに重ね置きしていた空のパレットを、リフトで集めて元の場所に片付けて行った。
もう仕事が終わりとあって、リフトを動かす動作も自然と早くなる。
片付けを済ませ、リフトを所定の場所に戻せば作業終了である。
更衣室で着替えていると、同僚で配送運転手のサムがやって来た。
「ヨォ、お疲れッ!」
オレの肩をポンと叩くサム。
コイツ何だか、ウキウキしているようだ。
尋ねてみる。
「どうしたんだいサム? 何だか、嬉しそうじゃねえか?」
サムは笑いながら
「そうか?」
「何か、イイ事でもあったかァ?」
「これから、あるんだ」
オーッ!
これから!
「何があるんだ?」
「別に大した事じゃないさ。家族と今夜、レストランに食事に行くだけ」
「そう言えばお前、今日が誕生日だったよな?」
「ああ。だから今日は、オレの誕生日を祝ってくれるんで、レストランで豪勢な夕食ってワケだ」
「なるほど、悪くないネェ!」
そう、悪くない。
トラック運転手と言う仕事柄、サムは時間が不規則で家に帰らない事が多い。
当然、家族と一緒に過ごすなんて、そんなに多くはない。
しかし今日はいつもと違って、特別な日だ。