遠恋ーえんれんー2-3
「僕たちさ、手をつなぐときに中指だけを絡めるでしょ?僕の左手の中指と美音の右手の中指で。」
「うん。それで?」
「中指がさ、僕たちをつなげてるわけでしょ?」
「まあ‥ね。」
「だから中指に指輪を付けてて欲しい。僕たちが繋がってるトコに付けてて欲しい。美音は右手の中指に、僕は左手の中指に。」
「‥ロマンティックな男だな、泪は。」
ここは感動するとこだろって泪は少し拗ねて、笑った。
それからあたしたちは手を繋いだ。
お互いの指輪が触れ合って、金属が冷たいせいか泪の肌の温度がいつもより熱く感じて、なんだか泣けてきた。
「‥あったかいね。」
泣いてるのがバレないようにぶっきらぼうに言った。
「うん。あったかいね。」
ニコッと笑って泪が柔らかく返事をくれた。
あんなにバレないように泣いたのに、
「あははっ‥ホントに美音は泣き虫さんだなぁ。」
ってあたしの涙を掌でゴシゴシ拭いてくれた。
その後泪はメガネを取って、自分の涙もゴシゴシ拭いた。
「‥泪だって泣いてんじゃん。」
「まあね。」
二人で笑って、それからキスをした。
メガネをかけてない泪はキスがしやすい。
泪にそう言ったら、
「コンタクトにしよっかな‥。」
って言ってニヤリと笑った。
本当に泪はどうしようもない。
あぁ。
けどあたしはそんな泪が大好きなんだ。
泣くな泣くな。
一人ベットの中で泣くのは泪が沖縄行ってから1週間だけって決めたんだ。
4年目の今さら泣いてどうする。
あぁー!!!!
もう本当に大好きだ。
バカヤロウ。