エンジェル・ダストE-10
「おいッ、これって…?」
「そうだ。工学部の予算が増えた時期とシンクロしてるんだ」
驚きの表情を見せる恭一に、五島は満足気な顔で深く頷いた。
「この先は?この先は調べたのか」
「まだだ。今、調査の最中だ」
「ヨシッ!なるべく早く調査してくれ。オレは別の方向からアプローチする」
恭一は、流しを出ようとして五島の方を見た。
「さすがにおまえだな。ハッキングの腕は天下一品だ」
そう云ってキッチンを後にした。五島は、その後ろ姿を見つめ──何云ってんだ?─と不可解な思いに至った。
…「エンジェル・ダスト」?完…