遠恋ーえんれんー-2
相澤美音。あたしの名前。
そして彼女はあたしの親友、佐々木茜。
大学に入ってからの仲だが、お互いサバサバしているからか話がよくあった。
彼女には付き合って2年になる彼氏があたし達と同じ大学にいる。
まぁ、大学入ってからできた恋人だから当たり前か。
大切な人が近くにいることが羨ましく感じないと言ったら嘘になるけど‥そんなこと口にしたり態度に出したら、優しい茜のことだ。きっと気を使ってしまう。
だからあたしはなにもないように今日も笑う。
『ごめんね美音』
なんで?
『ホントにごめん』
なに謝ってんのよ。
『俺さ‥』
止めて。言わないで。
『遠恋なんて無理だよ』
だったら初めからあたしと付き合わなければ良かったじゃない。
あぁ面倒くさい。
うるさい
うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいう‥
「‥るさいっ!」
二日酔いの頭には目覚まし時計の音は刺激が強すぎる。
今なお甲高い悲鳴をあげつづける目覚まし時計を上から殴りつけた。
「あぁー‥あったま痛い‥」
昨日は寂しい気持ちを埋め潰すかの如く酒を浴びるように呑んでしまった。
お店でリバースカードをオープンしなかっただけでも上出来だろう。