未完成恋愛シンドローム - 希望的観測 --23
「痛いなー」
顔をさすりながら抗議の声を出すコタロー。
「自業自得やろ」
とは言いつつ、する側(入れる側)って言うのも、ちょっとだけやってみたかったりはする。
「よっ・・」
ベッドの上で脚を上げて下着とズボンを履き、そのままクルッと回って下に降りる。
「取り敢えず行こ」
ベルトを締め、乱れた服を整えながら、コタローに声を掛ける。
「せやな」
「コタロー」
ベッドがある一角と、保健室の中を仕切る扉のノブに手をかけたコタローを呼び止める。
「なに―」
―ちゅっ
「ん」
軽く触れるようなキス。
そしてそのまま首に手を回し、深く口付けていく。
「んむ・・・どしたん?さっきから」
―まぁ、確かにキスばっかしてる気はするわな。
「んちゅ・・ご褒美やろ?」
口唇を離し、軽く舌を出しながら言ってやる。
「ご褒美?」
「英語のテスト。頑張ってんからさ」
―ボスッ
「うぐっ」
少し気恥ずかしくなって、グーで腹を殴る。
「なにすんの」
「せやから」
背伸びして、今度はほっぺたにキスをしてやる。
「ご褒美やって」
そう言って、笑った。
コタローは一瞬、あっけに取られたような顔をした後、少し照れ臭そうに笑った。
その後。
却って来た英語のテストの点数を見て愕然としたオレが居たことをここに付け加えておく。
因みにオレの点数は51。
コタローの点数は45。
ど畜生・・・。
―to be continued