未完成恋愛シンドローム - 希望的観測 --20
「ほらー、早くしてや」
「・・判ってる」
恥ずかしさを始め、色んな感情を押し殺しながら腰を沈めていく。
「っ・・・」
「どしたん?」
―こいつ・・・。
「・・・手」
「ん?」
「・・・手ぇ邪魔やから、奥まで入らへん」
さっき支えるためにちんちんを持ったコタローの手がそのままになっていて、今度はそれに引っ掛かり、それ以上進めなかった。
「そういやそうやな」
「だから、手ぇどけ―」
ヤケクソ気味に言い放った最中、いきなりコタローが肩を押してきて、そのままバランスを崩す。
「あ・・・」
―じゅぶっ・・!
そのまま後ろに倒れていくのを抑えようと重心を変えた瞬間、いつの間にか手というつっかえ棒が外されていたコタローのちんちんに、そのまま座り込む格好になってしまった。
「!!!」
―ボタタ・・・っ
ちんちんの先から、勢い無く精液が漏れ零れる。
「あ。今のでイッてもーた?」
「おま・・ころ、ス・・・ぞ」
―じゅぱんっ
「んきゃんっ」
普段の100倍は憎悪を込めたオレの言葉に対する返事のように、コタローが腰を突き上げてきた。
「お・・れ・・今、イッ・・た・・ばっ」
―じゅぶっ
「かは・・!!」
無茶なコタローの突き込みに、そのまま倒れ込む。
「大丈夫?」
―・・聞くくらいなら・・・最初っからやんなボケ・・・
「ごめんごめん。イヴが可愛い声出して喘ぐからつい」
頭を撫でながら、全く言い訳にもなってない言い訳をほざくコタロー。
なんか、こいつにはほんとになに言っても無駄な気がする・・・。
荒い息を少し整えてから、けだるく重い身体をどうにかこうにか引きずり起こす。視線を下に移すと、たった今吐き出したばかりの自分の精液が、コタローの腹筋に水たまりを作っている。
「・・・」
「たったあんだけやのに、結構出たな」
オレの視線に気付いたのか、いけしゃあしゃあとコタローがほざく。
「動ける?」
今更ながらに人の身体を心配してくるとか、一体こいつはどういう神経してんだ。
まだガタガタと震える脚に力を入れ、自分の身体を持ち上げる。
―じゅぶ・・ぷ・・・りゅっ
「んぅ・・・ふ・・・」
―じゅぶりゅっ
「ふぁ・・・っ」
たった一回腰を動かしただけなのに、全身の力が抜けるくらいに気持ちが良かった。
「ふっ・・ふっ・・・ん・・・」
―ぐぢゅ・・ず・・・
もう一度、少しずつ腰を浮かせていく。
―じゅぶんっ
「んはあっ」
そして力を抜き、腰を落とした瞬間、あらがいようもない程の快感が身体中を突き抜ける。
「はぁ・・・はぁ・・・」
たまらずコタローの身体に手を付き、荒い呼吸を繰り返す。
「ふ・・」
「ふ?」
「深・・過ぎ・・・」
この体勢である以上、腰を下ろす度にどうしても全体重が繋がっている所にかかる。
その結果、コタローとシている時にはそうそう届かない場所にまでちんちんをくわえ込んでしまい、それが意識を消し飛ばす程の快感に代わる。
「しゃーないな」
そう言って、コタローが上体を起こす。