未完成恋愛シンドローム - 希望的観測 --18
「んふ・・美味しい?イヴの精液」
口唇が離れ、コタローが宣言する。
―旨い訳・・
否定しようとしても、口の中に残った精液のせいで、なにも言い返せない。
「ちゅっ・・ぺちゃ・・・はむ、ちゅくっ」
「んむ・・・くちゅ・・むぁ・・ぴちゃ」
再びキスをされ、舌が中に入ってくる。
なんとか精液を吐き返してやろうとしても、体勢が上向きの状態ではそれも難しかった。
失敗し、口唇の端から零れた精液も見逃さず、再びオレの口の中に帰ってくる。
既に僅かずつでも何度か飲み下しているのにも関わらず、少しずつオレとコタローの唾液で薄められていっているせいか、なかなか減ってくれない。
―これ以上、精液を口の中に入れてたくない・・
そう思い、コタローの口唇が離れた瞬間を見計らって瞳を瞑り、なんとか精液を飲み下した。
―・・・気持ち悪い。
さっき、胃の中に出されたコタローの精液と化学変化とか起こさないよな・・?
まずないだろうとは思いつつも、一抹の不安は感じる。
「飲んだん?」
気付いたのか、コタローが声を掛けてくる。
「・・あんた、最悪やな」
なんとか言葉を吐き出す。
今、仮にげっぷでもしようもんなら、精液の味しかしないような気がしてすんげーヤダ。
「色っぽいで」
まったく関係のない返事が返ったきた。
中2の男子が保健室で色っぽい格好してても、それはそれでどうなんだとツッコミたいけど、ツッコむだけ無駄なんでやめておく。
―ちゅっ
「んむ・・」
今日、何度目かの口付け。
いつの間にかそれを抵抗なく受け入れてしまっているオレがいる。
―つぷ・・
「んっ、ぐ・・・」
そしてまた、尻の中に指が入ってきた。
さっきまでの性急な動きとはまた違った、ゆっくりとしたリズミカルな動き。
知らず知らずの内に、コタローのシャツの襟元を掴んでいた。
「やぁ・・ひっ・・・こた・・そん・・・掻きまわ・・たら、あか・・んに、ぃ・・・っ」
ガクガクと、腰が震える。
さっき射精して力を失っていたちんちんも、いつの間にかまたはちきれんばかりに堅さを帯びている。
「ちゅっ・・ぴちゃ、ちゅっ、くちゅ・・・ちゅくっ」
「んっ・・・ふ・・」
―も・・ムリっ・・・
「こた・・・」
「ん・・・?」
コタローの顔が少し離れた時に、声を絞り出す。
「ガマン・・出来ひん・・・っ」
ある程度予測していたのか、コタローの口元がつり上がる。
「どうして欲しい?」
そう言いながら、尻の中を掻き混ぜてくる。
「んぐう・・っ、や・・いじわる、すんな・・・っ」
視界が歪む。
「どうして欲しいか言えたら、したるけど・・?」
「っ・・・」
ふざけるなって言いたいのに、口の中がカラカラで、上手く言葉が出て来ない。
「・・じゃなくて」
「ん?」
「指・・じゃなくて、」
違う。
「コタローの・・」
こんなことが言いたい訳じゃ―
「コタローの、ちんちん・・・欲しい」
それでも、身体は衝動に忠実だった。
―ぐぷっ
「んうぁ・・・っ」
散々中を掻き回していた指が抜かれた。
「そんな怖い顔せんでも」
肩で息をしながらも、コタローのことを睨み付けているオレに苦笑いをしつつ、コタローが言う。
―・・睨み付けたくもなるわ。
そう思っても、一応口には出さない。