今夜、七星で Tsubaki's Time <COUNT2>-11
「…椿さん?」
トイレのドアが開く。
声の主はもちろん、ユースケ君。
あたしは見られたくなくて、バッグからハンカチを急いで取り出して顔を隠した。
「何で、泣いてんの?」
「…妊娠したのよ」
「…マジ?」
「馬鹿。ジョークに決まって…」
泣きながらも笑おうとした、あたしの腕が後ろに引っ張られる。あたしの体はユースケ君の腕の中におさまった。
「ユースケ…君?」
「…黙って」
あたしを個室に押し込み、鍵をかける。
何が何だかわからなくて戸惑っているあたしの体を、壁に押しつけた。
「な…に…?」
戸惑っているせいか、あたしの手に握られているハンカチが更に強く握りしめられる。
…ゆっくりとユースケ君の顔が近づいてきて、唇が重なる。
「んんっ…ぅ…ん」
唇の中を、分厚い舌が動く感触。
「ん…あっ…!」
ヒップを鷲掴みにしながら、キスを続けるユースケ君。痛いくらいに揉むから、あたしは身をよじるようにして抵抗する。
――だけど、やめてはくれない。
ヒップを掴んでいた手は、次第に黒いタイトスカートをめくりあげていく。ヒップと脚をつなぐ辺りをしつこく触りながら、反対の左手はあたしの胸に触れた。
何とかあたしはユースケ君の唇から逃れて、小さな声でユースケ君の名前を呼び抵抗する。
「ユースケ君…やだ、ど…したの…?!」
右手は次第にヒップの辺りから前へとずれていく。そんな風にユースケ君が手を動かすから、黒いタイツ越しに下着が見えそうなくらいにスカートはめくれて。
「やだよ、ユースケ君…仕事戻って!」
「ここ、は…?」
「ちょっとっ…ユース…ケ君…!」
ついにユースケ君は、匂いと体液で蒸れた…その部分に右手を這わす。
ユースケ君があたしの体にもたれ掛かってきて、耳に荒い吐息が吹きかかってきた。
「や…めてよっ…!!」
ユースケ君の態度があまりにも怖くて、ユースケ君の体を思いっきり突き放す。
目からはたくさんの涙。
思いっきり突き放せたのが不思議なほどに、震えている手。