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プラトニックラブ
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プラトニックラブ-2

可愛いー…。

まるで子犬を見た気分になった。


こんな高校生いたかしら…。

そんなことを思いながらもう一度彼に視線をやった。
彼は壁にもたれかかり、携帯をいじっている。

耳には痛々しいほどの数のピアスがされている。
キレイ―…

そう思った自分にゾクリと寒気がした。
不思議と彼には清潔感が感じられ、まるで彼の耳自体が芸術品のように見えた。


エレベーターが一階に到着した。
彼は私の先を歩き、入り口の扉を開けた。
私の方を見て、私に先に行くように促した。

「ありがとう」

私はそういって先に行き、階段を降りた。


「おねーさん」


振り向くと彼が満面の笑みで私に向かって言った。

「昨日隣に引っ越してきました。宜しくね」


太陽の光が彼の赤毛の髪を照らし輝いていた。
彼は階段を降り、私の目の前に立った。
彼はフッと笑うと前屈みになり私の顔に近づいてきた。

なに…

ビクリと体が反応し、一歩後ずさった。

「今夜、引越しのご挨拶に伺うね」

耳元でそう囁き、彼は何事もなかったように自転車置き場に向かった。

突然の出来事に私は立ち尽くした。
顔が熱くなってきたのがわかる。心臓がうるさいぐらいにドクドクと鼓動をうっていた。


「じゃーね、おねえさん」

シルバーのマウンテンバイクに乗った彼が私に向かって手を振って走っていった。


「なんなの…」


不覚にもキスをされるかと思った自分がものすごく恥ずかしかった。


そして


引越しの挨拶に来ると言った彼の言葉を違う意味にとらえた自分にー…


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