エリザベス・悲劇の人形たちT-2
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あれから1ヶ月後…
待望の子供人形が完成し、注文先の人形幸せ工房から送られて来た。
人形幸せ宅配便のトナカイロバ車に載せられて来た大きな木製ケースが屋敷に到着する。
エリザベスは付属のカギを手にすると、ケースの扉のカギを開けた。
オルゴール調の音楽が流れ、扉が自動的に開いた。
中の紫色の布をソッとめくると…
「まあ、可愛いネェ!」
マルセルはビックリ!
「ワタシノ、カワイイ、コドモタチ!」
エリザベスは感激して涙を流した。
中には一面に敷き詰められたクッションの上に、30体の小さな人形たちが並べられていた。
身長15センチ未満…
殆どが、エリザベスを幼くしたような可愛い女の子ばかり…
オシャレで可愛い衣装と帽子が良く似合う。
エリザベスは人形1体1体に息を吹きかけた。
ママとなる自分の霊気を吐く息に乗せて、子供人形たちに浴びせたのだ。
だが、子供人形たちは目を閉じたまま…
どうやって起こせば?
「アナタ、歌が得意でしょう?」
マルセルの言葉に、エリザベスはうなずく。
歌い始めるエリザベスママ。
♪さぁ起きましょう、私 の子供たちよ♪
♪さぁ起きましょう、私 の宝物よ♪
♪新しい1日が始まる♪
♪素敵な1日が始まる♪
♪みんなの新しい1日が 始まるのよ♪
歌い続けるエリザベスママ。
すると…