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盲愛コンプレックス
【青春 恋愛小説】

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盲愛コンプレックス-7

『し・て』

その言葉に、俺は思わず顔を赤くする。
茜の顔もまた真っ赤だ。
俺はごほんと咳払いひとつ、再び腰を屈め――茜に軽くキスをした。
唇を離し、茜を見つめ合ってから、もう一度。
放課後の誰もいない廊下の片隅で、俺達は何度もキスを交わしていた。



――あれから数日間。
顔を会わせる度に坂田がにやにやしながら「ごちそうさま」なんて言ってくる。
それからそれとセットで「あの後どうした?」と訊いてくる。うるせぇよ、と俺は一言。坂田の言葉を適当にあしらう。
実際あの後何があったかって?
そりゃもちろん、茜とふたり、屋上近くの用具室で――とと、それはまた別の話。


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