密心〜かみのみそか〜-5
「いつまでも、ぬしを娘のように妹のように思てるから……安心しぃ、私のみそか。可愛い子」
耳に直接吐息混じりに吹きかけられる声に、涙腺が決壊したようにとまらない
泣きじゃくり今にも崩れそうな私を、……そばで蔵ノ介さまが肩を抱いてくださった
ありがとうございんす
ありがとうございます
みそかは幸せです
花街からでた春
最初に見たのは満開の桜吹雪だった
私の肌に蔵ノ介さまが咲かせた桜も、……着物の下で満開に、咲き誇っていた
愛されて咲いた桜を肌に纏いながら、私はこれから愛しい人と、朝まで閨を共にできるのだ
この桜の花弁が自由に舞う下で、私は蔵ノ介さま
唯一愛するあなたの横で、密かに愛でられた今、これからを咲き誇りたい