軟禁五日目―性欲、倒錯、異常な愛情-6
3. 雌犬になり下がって
そうしてまた、犯される。
絶頂に達したというのに、執拗に中を抉られ、何度も何度も気をやった。
此処に立ち入るのは、デミアンだけではなかった。
将校と思しき男が数人、入れ替わり立ち替わりリーナスの身体を蹂躙していく。
何が軟禁だ。
この場から逃げようと思っても、気だるい身体は動かない。もっとも、動いたとてこの姿で外に出ることなどできようか。
そして、逃げられるという選択肢があるからこそ、今のこの状況は屈辱的だった。
「んッ……はぁッ、あッ」
一日に何人の相手をすれば済むのだろうかという疑問は、もう考えないようにした。
「うぅッ……あッ」
身体は敏感だ。だから、身を任せていた方が楽だ。
抗おうとすれば容赦なく殴られたりもする。現にこの男の前に相手をした男は、リーナスが口づけを嫌がった腹いせに頬を殴って行った。彼女の頬には今、紫色の痣がある。痣は頬だけではない。此処にきてから、デミアンにしても他の男にしても、気に入らないことがあればすぐにリーナスに手を上げた。
殴ることで快感を得る――そんな倒錯した性癖を持った男もいた。しかしそれもリーナスにしてみれば、皆一緒である。皆が皆、リーナスを倒錯した性の愛玩物として扱っていた。
もう何が正常で何が異常なのか。そんなことさえ分からぬほどに、感覚は麻痺している。
「つ……ッ、や、あ……ッ」
この男は、女を縛り上げるのが趣味だった。
リーナスの両手首に手錠を掛け、天井から吊るし、彼女の身体にも細い鎖を巻きつけてから犯す。胸や腿に食い込んだ鎖が、リーナスの顔を歪めた。
「あッ、あッ、ああッ、や……!」
濡れた音を掻き消す、鎖の音。その音の激しさに伴うのは痛みだ。手首の皮は剥け、リーナスの腕を赤く染めた。
「んッ、やッ、」
男の腰の動きが速くなる。
「んッ、んんッ……」
「う……」
達し、熱い迸りがリーナスの体内へと注ぎ込まれる。萎えた男のものをぼんやり見つめながら、リーナスは自分の秘所を見やる。ごぽ、と音を立てて溢れた精液は、果たして何人のものが混じっているのか。
「ふ……あ……」
息をつき、男はそのまま身支度を整えて帰って行った。
せめて鎖を解いて行って欲しいと思うが、それは心の内だけにしておいた。言葉を発するのさえ面倒だった。
「おー、おー。可哀想に」
そんな言葉は本心でないことは分かり切っていた。
デミアンはリーナスの姿を見るなり、感情のない声でそう言った。
裸も同然のリーナスを眺め、露わになった秘所に手を這わせる。
「止め、ろ……ッ」
指を折り曲げ、中を抉り、男達の精液を掻き出した。
「あんッ! や、あぁッ」
そうしてデミアンは喘ぐリーナスの腹に中指を擦りつける。
それから半開きになったリーナスの口に中指を突っ込み、しゃぶるように言う。
顔を背けるリーナスに、デミアンは言った。
「舐めろ」
「んむッ……ん」
嫌な顔をしたが、今度はリーナスも黙って口を動かした。
抵抗する気力さえ失った彼女を、デミアンは汚いとでもいうふうに見下ろした。
「股を開け」
冷たく言い放つデミアンに、リーナスは大人しく従う。
股を開けば、男達の精液の混じった愛液がだらしなく腿を伝って流れた。