bittersweet 1 -5
「もう、寝よーか、な?」
「…うん」
二人で、ベットに入る。
そっと、こーへい君に背中をむけると、後ろからキュッと抱きしめてきた。
少しすると、規則的な呼吸が聞こえてきて。
こーへい君が、眠りについたことを知る。
―私達は、別れてなお、たまにこうして眠る。
お互い、キスし合って、想いを繋ぎ止めるように。
そして、共に眠るのだ。
そんなのは、おかしいって、分かってるのに。
きっと、こーへい君は、私が拒めば、もう、そんなことはしないだろう。
―そう、分かっているのに、だめだよって言えない。
結局は、自分がかわいくて。
ずるい私で、ごめんね。
もう少しだけ。
もう少しだけ、この腕の中に居させて欲しい。
背中に、こーへい君の暖かさを感じながら、眠りに落ちていく中で、こーへい君がくれたキスを思い出していた。
苦い、苦い、キスを。