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fantasy ability
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reality ability‐第10話‐大いなる歓迎会、タナトス!!‐-4

‐場所は戻り、冥界への道‐

あれからかなりの距離が過ぎた。だが、前は一向に終わりを見せなかった。この道は永遠的に続くように感じる。
‥‥織音は皇希の前で歩いていた。織音は立ち止まり、皇希を問い始める。織音の言葉で全員は立ち止まる。

「ねぇ、皇。さっきから何をやっていたの?」

織音の言葉を聞いた皇希が素っ気ない言葉で答えた。

「‥別に。」

織音は少し悲しみのこもった表情で喋る。

「‥‥そう。‥‥じゃあ、ここはもう冥界の城なのに何もしないのは何故?」
『!!!?』

織音の言った言葉は2人以外を驚かせた。そんな事が関係ないように織音は喋り続ける。

「‥‥教えてよ。じゃないと私は不安になるから‥‥‥。」

すると、皇希が少し笑った。久しぶりなのだがその表情は笑顔ではなかった。

「覚醒した事で力が強くなった‥‥か。確かにここはもう冥界の凱影城(がいようじょう)の前だ。」

皇希は地面に手で触るとその場所からこの空間が歪み出す。その風景は城の門前だった。

「な‥何だ?」

誠慈が驚く。それは空間の歪みに対する言葉ではなかった。‥6人を囲むように敵が‥‥大量の邪神が立っていた。
待ち伏せされたようだ。大量の邪神は少し迫る。皇希と織音以外は背中合わせになるように少し下がる。

「‥‥‥。織音。驚かないのか?」

皇希は敵を見ながら聞いた。その表情はいつも通りで余裕である。

「‥‥これがあるからね。‥‥イメージマテリアライズ。」

織音は鎧を身に纏う。それは守想の鎧。ほぼ無敵に近い防御力が織音を余裕にしていた。それと両手に剣。
皇希以外は訳が解らなかった。やはり、イメージマテリアライズは武器のイメージが強いからだ。

「‥‥母さんか。余計な事を‥‥」

皇希が言った。

「‥‥違うわ。維蕪さんよ。」
「‥‥‥。‥ちっ、“イレギュラー”には“イレギュラー”か。」

珍しく皇希の読みが違った。表情は怒りで威圧感があった。だが、直ぐに元に戻り目の前の邪神に集中した。

「‥‥約10万といったところか。‥‥?今?の俺にはキツいな。」

皇希は弱気ではないが、自信がないようで構え方が本気だった。いつものように余裕な皇希は構えをとらないのだが‥‥。

「‥‥私も本気よ、皇。もう迷わない。強くなって生きるわ。」

織音も本気の構えになった。言葉通りで迷いがない構えだ。だが、違和感があった。それは右手と左手が逆であった。
それもその筈。織音は左利きだ。差し詰め左手の剣は逃げないように“勇気”で右手の剣は後悔しないように“決意”を表現したように思える。
とその時に、辺りに響く声が聞こえてきた。その主は‥‥“カオス”と呼ばれている神魔 唖紅笥。城の最上部にあるバルコニーから喋る。


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