coloraffair〜みんなの気持ち〜10-1
夜明けの街を歩いている。こんな時間に歩くのは久々だ。何組ものカップルとすれ違う。月と太陽が僕を照らしている。
―シロにどう接したらいいんだ―
昨日の夜のようなことがあり今までの態度がとりづらい。
「明日午後に会えないかな?」
おとといに美衣菜から言われた。
「もしチャンスをくれるなら駅に来て。待ってるから」
そう言われておとといの夜はずっと考えていた。
「わりぃ、バイト入っちまった」
アカたちにはそう言い次の日の朝に帰ってくると伝えた。美衣菜と会ってすぐにシロたちと顔を合わせられないと思い一夜は1人で過ごそうと考えた。
そして駅に向かった。約束の時間より少し早めに行くと、美衣菜はすでにいた。「来てくれたんだ。やり直してくれるの?」
笑いながら美衣菜は聞いてきた。
「わかんねぇよ、自分でも。ただ、後悔するなって言われたから」
美衣菜はそれでも笑顔を絶やさなかった。
「でもせっかく来てくれたんだから、楽しも」
美衣菜が好きなボウリングをやった。別れて以来行ってなかったけどなまってなかったのでかっこいいところを見せることができたと思う。
ボウリング場が入っている建物の中で軽く休憩をした。美衣菜との会話は今でも楽しく、とてもいい気分になった。最近は味あわなかった感覚だ。
美衣菜の海好きは変わっていなかった。美衣菜に連れられ海を見に行った。さっきまで室内にいて気付かなかったが雨が降ったらしく虹が見えた。
「じゃおれはまだここでみんなと泊まってくからさ」「うん………」
「あ…………そっか。駅までおくろ」
「一緒に泊まってくれない?」
突然美衣菜に言われた。 「え………いや、でも」
「あ………変な意味じゃなくてね。明日友達と遊ぶのね。でも家族は旅行行ってて家に誰もいないから泊まることにしたの。1人じゃ心細くて………」
「そっか。ま、いいよ」
これまでに美衣菜と泊まったことはあったがやましいこともなかったので、決断するのにはそんなに悩まなかった。
僕たちが泊まっているホテルの近くで、ここも海が見えた。夕食も外で済ませていたので風呂に入って寝るだけだ。
「先に入って」
「いや、いいよ」
「私が引き止めた形なんだから」
「……じゃ遠慮なく」
遠慮しあうなんて前では考えられなかった。 そんな慣れが別れの原因かななんて考えた。そんなことを考えながら風呂に浸かっていた。備え付けのパジャマに袖を通してあがる。
「ありがと、入りなよ」
「あ、うん」
美衣菜が風呂場に入る。 ―おれはこんなところにいていいのかね………別に誰と付き合ってるわけでもないけど………―
後ろめたい感情や喜びが僕の中で渦巻いていた。
しばらくして美衣菜が上がってきた。
「眠くなっちゃった……」「そうだな」
たしかにいろいろまわったから疲れたが、精神的な面での疲れもあるのだろう。電気を消す。なぜか2人部屋だったので1人1つずつのベッドはあった。理由を聞いてもとぼけるだけだろうからやめておいた。
いろいろなことを考えてしばらく寝付けなかった。