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嘘の最初へ 嘘 1 嘘 3 嘘の最後へ

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これは後になってから分かった事なのだけれど、彼女の最後の言葉には嘘が混じっていた。もちろんこの時点でその嘘がわかっていれば、彼女の死を止める事も出来たのかもしれないし、それは今となってはわからない事だった。結果として彼女の世界は終わって、僕の世界は未だに続いている。彼女が終わらないと言った「こんな世界」は終わってしまったし、彼女が終わると言った「僕の世界」はまだ成長をやめない。
死ぬ事を決めていた彼女とっては、あの時ベンチでの会話が追い詰められていた状況では無かったと僕は思っている。死ぬと決めていたのだもの、彼女が死にたいと思う様な重荷からは、その時点では解放されていたのだと信じたい。ならば彼女は「追い詰められていない状況でつく嘘」を最後に言った事になる。
ならば彼女の最後の言葉は「優しい嘘」だ。そうでなければ、虚し過ぎるじゃないか。


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