reality ability‐第9話‐終焉の闘いへと、冥界に‥‥‐-4
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皇希はもちろんの事で、一緒にいた織音と刻印【愛】の鎧を使った絢音と司樹菜以外は差があり、傷付いていたが全員が立っている。
軽いのは凰輝と羅紅、螺樹である。かすり傷程度の傷が多々ある。次に誠慈と誑笥、那奈夜だった。血を流しているが大丈夫だろう。
結構深いのが光と祐と結だった。全身に傷を付けていた。流石に辛かったようだ。
「‥‥ちっ!余裕ならコッチを手伝えよ!」
誠慈が当然苛つく。
「まぁ、皇希くんは必要ないと思った事はやらないはずだ。‥‥それに今の皆の実力を見たかったようだしね。」
凰輝が言った。皇希は視線で凰輝を見た。睨んだ。本当の事らしい。
「‥‥ふん!いつか覚えていろよ!」
誠慈が皇希に言った。すると、皇希が口を開いた。
「楽しみに待ってるぜ?俺には隠している能力はまだまだあるからな。」
皇希がそう言った後、場は騒然となる。まだ力を隠している皇希、その能力に織音以外は驚きを隠せなかった。
織音は何かを感じていた。それが何なのかが解らないようだが、確かに伝わっていた。皇希はそんな織音を見ていた。
それは“イレギュラーの原因”を知ったから感じられたのかもしれない。‥‥維蕪は一体何者だろうか‥‥?
皇希は騒然となったまま場で喋る。それは皆を黙らすには効果的だった。
「冥界に行くメンバーを言う。」
誠慈と誑笥の言葉が重なった。
『勝手に決めるな!』
だが、皇希は気にもせずに喋り続ける。
「俺に織音、凰輝さんと羅紅さん、誠慈に誑笥の6人で行きます。」
それを聞いた誠慈が瞬時に疑問を問い掛ける。
「ちょっと待て。‥‥少なすぎないか?」
「ここが再度襲われれば誰かが守らないといけない。だから、少数精鋭で行く。」
皇希が即座に答えた。
「‥‥異論は言わせない。」
皇希が有無を言わさずの威圧感で誰も何も言えなかった。だが、凰輝が平然と聞く。
「‥‥どうやって冥界に向かうんです?」
「‥‥カオスゲートは俺が開く。」
「‥なるほど。」
凰輝は皇希の一言で納得した。
「‥‥出発は少し先だ。俺にはやる事があるんでな。」
皇希は何処かへと歩き出した。織音は無言で後を追った。
「‥‥司樹菜さん?話し合いましょうか?」
「‥そうですね。」
絢音と司樹菜が出ていく。螺樹が少し困惑したが、深く考えない事にした。