電波にのせて。-1
あたしと3歳年上の彼は親公認で付き合って、もうすぐ2年になる。
あたしは、外ではしっかり者で相談とかのってほしいって言われるけど、本当は弱くて泣き虫で悲観的だから、いつも彼を困らせてばかりいる。
それでも彼は呆れながらも、傍にいてくれる。
いつもどちらかの家に泊まり、彼がメールを嫌いだから、昼間は全く連絡を取らないけど、
¨必ず会える¨
ということが、寂しい気持ちを消していた。
夜はというと、ずっと喋ったりすることはないけど、一緒にいれるだけでよかった。
それだけで、幸せだった。
しかし、あたしが浪人生、彼が専門学生になって、それまでの日常は大きく変化した。
あたしは朝から晩まで予備校に通い、少しの友達と少し話し、それ以外はずっと自習部屋の自分で確保した席で勉強していた。
もちろん、一言も言葉を交わさない日だってある。
だから、彼と過ごす夜だけが生き甲斐で、それだけで心は満たされていた。
彼の方は慣れない勉強で毎日くたくたで、あたしが夜、彼と会う頃には睡魔に襲われ、殆ど話すことなく寝てしまうことも多かった。
だから寂しかった。
でも迷惑がかかることがわかっていたから、絶対口が裂けても言わないと決めた。
夜、彼が寝てから暗い部屋で一人、涙を流すのは毎日のことだった。
泣けば泣くほど、孤独が心を埋め尽くすことぐらい、あたしでもわかる。
でも……涙は止まらない。
だけどあたしにも勉強がある。頑張って、頑張って絶対大学に合格したいから、勉強してる間は無心になろうとしていた。