ラブベイビー-来--1
『さぁ大久間さん、頑張って下さいね。もう少しですよ』
「んえ!?大久間って誰よー!ああ、大地って大久間だっけ!?それはそれでおかしくない!?頑張んのはアタシでしょー!」
「落ち着け!お前はもう、大久間だ」
「あ、そうだった…!イッタタ…」
「いい加減慣れろよ!」
「大久間よりもアタシは春名で長く生きてんの!そう簡単に忘れられないってーっ!」
「…そりゃそうだけど」
「ぁあぁあ痛い…ヤバい〜っ…!」
「甜華ほらっ、ヒッヒッフー!ヒッヒッフー!」
「ヒッヒッフー…ヒッヒッフー…ウェッホ…」
「お前、ちゃんとヒッヒッの部分で空気吸ってるか!?全て吐き出してねぇか!?」
「あ!そうだそうだ!あんまり痛くて錯乱状態ヒッヒッフー!」
「そ、そんな痛いのか!?」
「痛いなんて生易しいもんじゃねぇ、クソ痛ーわよ!体が真っ二つなるかどうかの瀬戸際なの、ヒッヒッフー!」
「それやべぇって!先生っ、先生っ!!甜華を助けて下さい〜!」
「あんた、うるさい。先生も絡まれてかなり困惑してるヒッヒッフー!」
「じ、じゃあ俺に痛み少し分けて下さい!」
「出来るわけないでしょ。出来てたら陣痛の時点で全てあんたに移してるしヒッヒッフー!」
「…ですよね。つぅか痛い割にお前ペラペラ喋るな。俺、ずっとう〜んって唸ってるもんだと思ってた」
「アタシのこと誰だと思ってんの?一般的な考え押し付けられちゃ困るヒッヒッフー!なんかさ、喋ってると気が紛れんだよねヒッヒッフー!」
「任せろ。俺が口を閉じることはねぇ」
「それはそれでウザいヒッヒッフー!」
「えっ…と」
「言った側からネタ切れヒッヒッフー!」
「お前がウザいとか言うからぁ」
「何?アタシのせいだってぇの?これでアタシが痛みに耐えられずどうにかなったらあんたのせいだかんね、ヒッヒッフー…」
「何を縁起でもねぇこと言ってんだよ!」
「アタシと赤ちゃんダブルであんたを恨むかんね、ヒッヒッフー…」
「赤さんまで!?」
「あーあ、素晴らしき子育てライフ、エンジョイしたかったな、ヒッヒッフー…」
「すげぇ話拡大してねぇか?」
「…ヒッヒッフー」
「お前元気出せよ!さっきからずっとビデオカメラで録ってんだぞ!産まれてくる赤さんにそんな姿見せる気か!」