coloraffair〜みんなの気持ち〜5-3
「この完璧なあたしなのに………あたしなのに………。あなたを」
篠田から涙がこぼれる。 「愛してしまったの」
ミドリは驚いた。何を言っているのか一瞬理解できなかった。
「え、でも、あたしは女よ」
「えぇ、そうね。だからよ。あなたを愛し過ぎた。こんなに苦しんだのは初めて。だから消えてもらおうと思った。いろんな手段を使って。でも駄目だった。だから呼んだの、ここに。あなたを愛させて」
篠田が抱きついてきた。ミドリは一瞬ためらったが手を篠田の背中に回した。篠田は驚いた。
「なんで………?あなたは板野君を………」
「だからよ。叶わない恋を知ってるから」
「でもあたしはあなたにひどいことを」
「行き過ぎちゃったのはまずいけど、あたしを好きでいてくれるんなら」
篠田はミドリの胸の中で声を上げてないた。
しばらく泣いて、だいぶおさまってきて篠田は顔上げた。
きれいな顔は涙でぐしゃぐしゃだったが前よりもすっきりとした表情だった。
「1回だけよ」
ミドリが言った。篠田は何のことかわからなかったが、ミドリの顔が近づいつきた。2人の唇は軽く触れた。篠田は目を大きく見開いた。
実際ミドリの方が驚いている。こんなに優しくなれた自分に対してだ。カラークラブという、自分を受け入れてくれる仲間がいるから変われたんだと実感した。以前なら絶対許せなかったと思う。
「そうだ!」
校門で待っていたシロとアカはミドリが篠田と歩いてくるのを見つけた。
「おい、まさか篠田がはんに」
「そう、新メンバー。あだ名はピンク!」