coloraffair〜みんなの気持ち〜5-2
「地図ですね。」
「宝の地図とか!?」
「んなわけねぇだろ」
「あながち間違いじゃないかもしれませんよ」
「え!?」
「宝じゃなくてもあの爆弾の犯人の手掛かりかもしれません」
「なんでだ?」
「まず相手はミドリの名字を知っていた、僕たちは全員ミドリと呼んでいるのに。そして何より筆跡が似ていますしね」
「信じていいのか?」
「クロ!ムラサキはすげぇんだぞ!信じろ!」
「そうか。じゃ、いくか。記念すべき1回目は犯人探しってことで!」
「嫌なら行かなくてもいいよ?」
シロは僕たちのテンションを下げないようミドリに小さい声で聞いた。
「大丈夫よ。こっちが倒してやるわよ」
電車に乗り3個隣の駅で降りた。星印まではけっこう距離があった。バスはいいのがなかったので歩きしか手段はなかった。
しばらく歩みを進めるとデパートの前を通った。何かが外れる音がした。
「危ない!」
僕はミドリを突飛ばし、自分も飛び退いた。上から看板が落ちてきた。
「………偶然……だよな?」
「さすがにこればっかりは………」
「大丈夫だよ」
シロは自分よりも大きいミドリを抱いていた。
「偶然に決まってるじゃないのよ。早く星印まで行きましょ」
ミドリは笑いながら言った。僕たちはミドリを止めるのもかえって悪く思いついていった。細心の注意を払いながら。
その後は何もなく星印までついた。そこは小さい神社だった。何もなかったので僕たちはそこを隅々まで見て回った。5分ぐらい探し何かがぶつかる音がした。僕が顔を上げるとミドリのそばにあった塔が倒れるところだった。
ムラサキが走ってミドリを抱えこんだ。塔は間一髪で2人に当たらず崩れた。
「早く帰ろうか」
僕たちは急いでその場を後にした。
次の日僕が登校するとちょうどミドリに会った。
―来たんだ。意外だな、ミドリには悪いけど―
そのミドリが下駄箱の前で立ち尽くしている。
「おはよう」
「お、おう、クロ。おはよう」
「何やってんだ」
「いや、朝ごはん抜いてきたのよ。それでぼーっとしちゃって」
「なんだよ、しっかりしろよ」
「そうよね」
ミドリは笑っていたが、力はなかった。
放課後僕たちが帰ろうとカラークラブを集めているとミドリがいないのに気が付いた。
「あれ、ミドリは?」
「保健室行っちゃったままかえってこないの」
「ま、そっとしておいた方がいいですよ」
「まぁ1人じゃ怖いだろうし家の方向一緒だし、待ってるよ」
「頼んだぞ、アカ」
「頼みましたよ」
「おう、じゃあな」
「私は待ってる」
5時を回り教室のドアが開き、ミドリが入った。
―女!?―
「誰よあんた、ストーカーして。昨日どこかで隠し撮りしてたのね」
ミドリの手にはミドリたちの昨日の様子が撮られた写真と『教室に1人でいて下さい』と書かれた紙が握られていた。
「そうよ、爆弾も看板も塔も写真も全部あたし」
振り返った女の顔にミドリは驚いた。ムラサキと1、2位を争う程の優等生の篠田彩だった。
「なんであなたが………」「それはあたしが聞きたいわ。あたしはずっと天才天才と言われてきた。生徒の鏡のように扱われてエリートコースを進んでいたの。なのにあなたが現れた」
「待ってあたし何もしてないじゃない」
「いいえ、してるわ。今も」
ミドリは篠田の視線に何か変なものを感じた。