coloraffair〜みんなの気持ち〜3-1
次の日にカラークラブの決まり事を決めた。あだ名が色であること、みんなの予定がそろった日に遊ぶ、仲良くすること、といった感じだ。なんともゆるいがアカがほぼ決めたので仕方ない。
「やっぱクラブっていうからにはもっと部員増やそうぜ」
「でもそんなにあだ名が色の人なんていないよ」
決まり事をつくったついでに人数について話していた。するとアカが突然
「いや……いるぞ!」
と言い出した。僕もシロも驚いた。いきなり大声を出すもんだから教室にいるみんながこっちを見た。
「とりあえず座れよ」
アカは周りにすまん、すまんと言いながら座って続けた。
「あだ名っていうかそれ以上が!」
「それ以上ってどういうことだよ」
「ま、見りゃわかるさ。今日2人とも……いやシロは暇?」
「いい加減飽きてくれ」
「暇です」
「じゃ放課後ついて来い」
授業中はずっと外を見ていた。―1人を愛し続けちゃわりいのかよ―
最近は晴れが続いている。―理由ぐらい教えてくれたっていいじゃねえかよ―
シロが後ろから見ていることに気付かず美衣菜のことを考えていた。
そして放課後約束通りにアカについていった。
方向はアカの家の方、つまり僕達の家とは逆方向。
「まさかお前ん家か?」
「もっと楽しいところだよ」
3人はそのあとは黙って進んだ。壮絶な議論―というか説得―の末シロは僕の後ろに乗っている。美衣菜を忘れるためにもシロに乗ってもらったという部分もあるが。
「着いたぞ」
2階建てのアパートが目の前にあった。
「どこだい、ここ」
「カラークラブの新入りの家」
「なんだよ、誘ってたのか」
アカは答えなかった。なんとなく悪い予感はしていた。
「203だ」
3人は階段を上がった。そして1番奥の部屋まで行った。 そして一連の動作でアカは呼び鈴を鳴らした。「シロ!走れ!」
「…………え!?」
アカとシロは走っていった。
「…………ピンポンダッシュ」
僕は笑うしかなかった。するとドアが勢いよく開いた。金髪の女の子がでてきた。渋谷だとか池袋にうじゃうじゃいそうな感じの子だった。流行ど真ん中といった感じだ。
「………あんた誰?」
見た目通りといったら失礼だが、キツい言い方で聞いてきた。僕は何も言えないでいた。
「んだよ、イタズラなら見逃してやるから早く帰れ」女の子はドアを閉めようとした。
「待った!」
僕はアカを恨みながらも思い切って声を出した。人見知りなタイプなので見ず知らずの人に声をかけるのなんか不可能な僕がよく頑張った。
「おれ達……あ、あと2人いるんだけどね、あるクラブやってて、君を勧誘に来たんだけども、名前を教えてほしいんだ。いや、確認のためにね」
ははっ、と笑いながら僕は言い切った。
「…………河西みどり」
僕は謎が解けた。まあ誰にもわかりそうなものだが。「おい、その制服って……」
河西さんは僕の制服を見て複雑な顔をした。