僕らの関係 最終話 いつも隣に……。-15
「由香ちゃん、いろんな味がする……」
布団がもぞもぞと動き、ぷはあと彼が顔を出す。イッたばかりの顔を見られるのは恥ずかしいけれど、今は快感をくれた彼にそれを見せたかった。
「もう、幸太ちゃんは私で何を作る気?」
まだ引きつりの収まらない眉がピクピクと動き、頬が強張っている。
「んとね……」
彼の陰茎が内腿を焦がすとき、彼女は片方の手で枕元を探る。
「うん」
もう片方の手で熟れたリンゴのような頬を撫でる。
――可愛い。
「赤ちゃん」
「え?」
充分に濡れた秘裂は、男を咥え込むのにそう抵抗を示さなかった。
痛みはさほど無い。むちりと皮膚が裂ける程度で、お腹が圧迫されて苦しくなる。
膣で感じる男は力強かった。
胸元で長いため息をつく彼はこんなにも頼りないのに、何故だろう?
「幸太ちゃん、ダメだよ、ゴムしないと」
幅の狭い肩を押しのけようとするも、腕だけでは難しい。そうでなくとも、内側を焦がすそれが芯に響き、拒む気持ちを萎えさせる。
「由香、離さないよ」
うわ言のように呟く彼はずいと前にのめる。
「あうううん!」
黄色い悲鳴が彼女の唇からこぼれ、伸びきった足が布団を蹴る。
薄い明かりの下、彼の裸身が浮かび上がる。冷たい空気の中、自身の体温を吸ったシーツと彼の身体に挟まれた彼女はそれほど寒さを感じなかった。
「あ、ゴメン、寒いよね……」
床に落ちた布団に手を伸ばすも、絡み取られる。包帯越しに触れる指は冷たいはずも、しっかりと熱をくれる。求めると逃げられ、逃げようとするとつかまれ、鬼ごっこのよう。
「幸太ちゃん、布団……」
無言のまま毛布を引っ張り、二人をくるむ。なににも触れていない肩が寒いが、むしろ火照った身体の熱を逃がす重要な役割を果たしてくれる。
「んくぅ! あ、ダメ、動かないで……」
彼の顎が上向いたとき、全身に火花が走った。アルコールが一瞬にして燃え上がるような、見せ掛けの炎。過ぎ去れば破瓜のリアルな痛みが訪れるのに、彼女は突き抜けた刺激を反芻してしまう。