僕らの関係 最終話 いつも隣に……。-13
「あ、ダメ……だって、幸太ちゃんの舌……私にするの、ズルイ!」
責められることになれていない彼女は、彼の愛撫に身悶える。
先日奪いそこなったものはもう目の前にある。
幸太は舌先が擦り切れたとしても、愛撫をやめるつもりは無い。彼はあと一ミリ程度、彼女に近づくことにする。
「や、なに? 幸太ちゃん……私、まだ準備できてないよ……」
ふりふりショーツを留める頼りない紐に手をかけた彼に、由香の悲痛な叫びが届く。
処女とはいえ、充分に濡れそぼっているし、彼は愛も呟いた。彼女も受け入れる気があるからこそ、今の今までの狼藉を見過ごしたのだろう。
「由香? なんで?」
「だって、心の……準備、できてない……かも」
「いいよ、そんなの」
紐を掴む手に力を込めると、拒む力と相成り、びりびりと音を立てる。
「ちょ、幸太ちゃん、離してよ。それ、高かったのよ?」
「いいじゃない。いいでしょ?」
幸太は笑いながらもやめる素振りを見せず、そのまま湿った布を引き裂く。
「や……だ、酷い! なんで、そんなに乱暴なのよ……」
ようやく離されたそれは既にボロ布。彼女は眉間に皺を寄せながら、布団の中で蠢く彼をなじる。
「じゃあさ、僕がプレゼントする。クリスマスプレゼントは勝負下着ね」
「な、そうじゃないもん。可愛いから買ったんだもん。幸太ちゃんに見せるためじゃないもん」
「嘘つき。でもさ、僕、もっと可愛いのがいいな。こんどさ、僕も一緒に選んであげるね?」
「一緒に選ぶの?」
「うん。だって、由香とするの、僕だけでいいでしょ? 僕に見せてくれるんだし、いいでしょ?」
どこから借りてきたのか、幸太は自信満々で言い切り、そして……、
「あ……、ああん……」
由香の中の女がわなないた。