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僕らの関係 プロローグ きっかけ
【学園物 官能小説】

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僕らの関係 最終話 いつも隣に……。-10

はぁ……私ってキモイかも。っていうか、だからかな、幸太ちゃんが私としなかったの。可愛いって言ってくれたし、オッパイとかお尻じゃなくてさ、一緒にいたいんだよね? 私に甘えたいんだよね。
だって、一人ぼっちやだもん。幸太ちゃん、覚えてるかな? ママとパパの帰りが遅くて一人でワンワン泣いてたら一緒になって泣いてくれたの。ほんと頼りないよね。
でもさ……、嬉しかったな。幸太ちゃんがいると、それだけで安心したかもね。だって私がしっかりしなきゃって思うもん。あの子を守るんだってさ。相互依存っていうの? それだったのかな、私達。……ふふ、そういえば里奈もそんなことあったなあ。昔から意地っ張りだったし、幸太ちゃんが私の後ろにいると、なんだか知らないけど、追い掛け回してたっけ。二人して私の周りを回ってさ。あんまりまわるとバターになるよって言われてたけど、あれどういう意味だろ? それと、よくプリン作ってくれたなあ。誕生日の前日におめでとうとかいってさ、うふふ、アワテンボだよね、でも、おいしいんだ。私の好みしってるんだよね。スッごく濃いカラメルシロップ。苦くて甘くってさ、それにプリンはぷるるんてしててさ、あの子ホントお菓子作る才能あるよね。そいうの羨ましかったな。私がつくるといっつも不評だったし、幸太ちゃんもせっかく作ったチーズケーキ、涙目になりながらお茶と一緒に飲み込んでさ。もう、失礼しちゃう。すごく美味しいと思ったのに、どうしてだろ? 濃いのかな? そういえばさっき、皆してレタスをとろうとしてたよね。やっぱり味付けしつこいのかしら? あーあ、言ってくれなきゃわからないよ。幸太ちゃん、優しすぎるから責められないんだよね。いっつもそう。私がヤンチャしてもさ、怒ればいいのに……。そっか、役割かも。そういうとき、恵がしっかり怒ってくれた。さっきだって恵は……。私ってさ、どうしてもこう、怒ると見境ないっていうか、抑えが利かないのよね。恵はもう少し自分出せって言うけど、それしちゃうとうざくなりそうだし、でも、そういうので悩むほうがうざい? 恵みたいにはっきりいえるんならいいのに。恵みたいに勇気があればさ、こういうこと、起こらなかったんじゃないかな? 幸太ちゃんがいて、里奈が笑って、恵が怒るの。そしたら、私がブレーキを踏まないと……。それが私の役だから……。

***―――***

 赤い布団を頭から被り、枕を涙で濡らしていた由香だが、一通り愚痴を漏らして辿り着いた結論は、四人の原点。酔いが醒めたのもあってか、彼女もかなり冷静さを取り戻す。

 ――まだいるかな? 様子見てくる? でもなあ、顔見せたらまたケンカしちゃうかも。

 ガチャリ……。

 背後で扉が動く音がした。

 由香は戸をしっかり閉めていなかったことを思い出すも、どうせ恵か幸太だろうと思い、特にリアクションはしない。反省する気持ちはあっても、非があるとすれば彼女らにあるのだから。

「……ふぅ」

 布団に手が添えられる。息遣いから察するにやはり幸太。

「……なに? 何の用?」

 ついきつい口調になる。
 しかし、彼は応えることなく布団を持ち上げ、潜り込んでくる。

「え? ちょっと、幸太ちゃん?」

 寒い空気が彼とともに布団にもぐりこんでくる。
 驚いた由香は後ずさるも幸太は追いすがる。せっかく暖めた場所が占領されていき、驚き以上に寒さに震えてしまう。


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