cure side-Akito-7
「理乃は…あっくんの笑顔を見た時、胸がキュンってなって…好きなんだって…。今はあっくんの事何にも知らないけど…もっと好きになるって思ってる」
それなのに春日は俺の目をしっかり見て答えてくれた。
「俺…春日には俺じゃなくて、もっと似合うヤツがいるのに…それなのに何で俺なんだろって…。もしかして春日にからかわれてんのかなって…。そうなら俺立ち直れないよ…」
春日の一生懸命さについ本音が出てしまった。
そう、俺は自分が傷つきたくなくて、いつ春日にフラレるのかと思うと怖くて…春日の想いから目を逸らしてた。
そんな俺の言葉を春日は聞き逃さなかった。
「あっくん…。それってあっくんも理乃が好きって事?」
図星を突かれて頬が熱くなる。
「春日は…すっげー可愛くて…狙ってるヤツがたくさんいて…。俺なんか眼中にないって思ってたのに春日からコクられて…。それでも信じられなくてさ」
「あっくん…」
「春日に好きって言われても全然自信なくて…」
今までずっと胸の中でモヤモヤしてた事を吐き出した。
呆れられても、サイテーって思われてもこれが俺なんだ。
終わったなって思った時、春日が俺の手を取ってギュッと握った。
「どうしたら信じてもらえるの?あっくんに理乃の気持ちを信じてもらえて、好きってわかってもらえるなら理乃は何でもするよ」
こんな情けない俺にまだそう言ってくれるのか?
それぐらい春日は本気で俺を…?
俺は何をウジウジ考えて逃げ回ってたんだろう。
春日は真っ直ぐ俺を想ってくれてる。
俺も正直に春日に向かうんだ。
その想いをこめて春日の手を握り返した。
「ありがとう。その気持ちがすげー嬉しい。自信なんてすぐには持てないけど…春日が俺を好きでいてくれてるって事はもう疑わない」
俺はもう逃げない。
春日の想いから。
自分の気持ちからも。
「もう…理乃と付き合うの止めようなんて言わない…?」
不安げに俺を見上げる春日に今度は俺が伝える番だ。
緊張をほぐすために軽く深呼吸した。
「今度は俺から言うよ。春日が好きなんだ。俺と付き合ってください」
「はいっ!」
満面に笑みを浮かべて元気よく答える。
「これでやっと両想いだね」
笑いながら零れる春日の涙を拭い頷く。
「理乃」
この一言に俺のいろんな気持ちが詰まってる。
今まで呼びたくても呼べなかった好きな子の名前。
「あっくん、大好きっ」
春日の腕が俺を抱きしめる。
俺はそれに応えるように春日に笑顔を向けた。
俺、もっといい男になるよ。
今後に期待しててくれ!