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cure side-Rino
【学園物 恋愛小説】

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cure side-Akito-2

テンパってた頭がようやく冷静になると、やっぱ有り得ねーだろって気持ちが強くなった。

あの春日が俺を好き?

超モテモテ、男なんて選び放題の春日が敢えて俺を選ぶなんて信じられない。

調子に乗って彼氏面なんてしたらバカにされそうだ。

明日になったら撤回されるかもしれない春日の告白。

真剣に受けとめたらダメだ。
冗談だよって言われる可能性の方が高い。

落ち込まない心の準備だけしておこう。





俺のそんな思いとはうらはらに春日は翌日になっても告白を撤回するどころか、可愛い甘い声で俺に何かと話しかけてくる。

「小川くん!」

呼ばれれば反射的に笑顔を浮かべてしまう俺。
だってやっぱり春日は可愛い。
春日を見る度に、もう冗談でもいいやって気持ちになる。

「今日ね、一緒に帰れる?」

今日は部活が休みなのをどうして知ってるんだろ?

ま、そんな事はどうでもいいし俺に断る理由もない。
誘いに頷くと春日は跳ねるような足取りで行った。

本気で嬉しそうに見える…。

一瞬もたげた考えを追い払うように頭を振る。
過度な期待をするとバカ見るぞ!



授業が終わるとすぐに春日は俺のとこに来た。

俺の横でニコニコ顔で待ってる春日。
それを見た周りのヤツらが冷やかすから変な汗かいちまった。

お前らが言うより俺が一番驚いてんだからな!




帰るのはいいけど何を話していいやら見当もつかず黙ったまま俺達は歩いた。

気まずい思いを抱えたまま、並んで歩く春日をそっと窺うと、俺の気持ちを知ってか知らずか口元に笑みを浮かべている。

「小川くんと帰れるなんて夢みたいだな」

沈黙を破って突然春日がそんな事を言うもんだから妙に慌てて思わず俯いてしまった。

「春日は大げさだよ」

夢って、俺こそこの状況が夢みたいだよ…。


「ねぇ、理乃の事、名前で呼んでよ」

……名前で呼んで?

「ええぇー!?」

春日の思考は予測不可能!
そんなカレカノみたいな…って一応そうなるのか!?

いや、でも何か違う気がするっ!

俺が内心パニクってるのに気付いていない春日はさらにたたみかけるように言う。


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