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憂と聖と過去と未来
【幼馴染 恋愛小説】

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憂と聖と過去と未来 4-6

***

結局、あれから一睡もできなかった。
二日続けて寝不足なので、クラクラするし頭痛も酷い。

でも、今は聖の方が痛いんだよね。

聖は大丈夫なんだろうか。

命に別状はないのだろうか。



朝日が見えだした頃、あたしの携帯に電話があった。
おじさんからだった。
うちの両親は今日も仕事だし、気を使ってくれたんだと思う。
『…もしもし』
『憂ちゃんかい…?昨夜はごめんね…』
疲労感の漂う声。
『大丈夫だよ、それより聖は?』
『聖は今眠ってるんだ…幸い傷も浅くて、大事には至らなかった』
あたしはそれを聞いてボロボロと涙を零した。
最近…よく泣くなあ…あたし…
『…うっ…ひぐっ…聖には…会えるの…?』
『ああ、できれば聖のそばにいてやってほしい』
『…ひぐっ…うん…今から行くね』
『気をつけておいで…総合病院だから』
『…うんっ』
あたしは電話を切ると、急いで身支度を整えた。
リビングに書き置きして家を出ると、前もって呼んでおいたタクシーを待った。
やっぱり…まだ寒いな…

大学に受かって安心した途端、こんな事になるなんて…


タクシーに乗って病院へ向かっている途中、ふとおかしなことに気が付いた。

なんで聖はマンションの前で刺されたんだろう…

あたしは聖と別れたあと、部屋に帰ったけど…聖は帰らなかった…?

あの後、聖はどこかに行ってたんだろうか。


ひたすら疑問が頭の中を廻っていた。


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