憂と聖と過去と未来 4-11
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それからのことはあまりよく覚えていない。
あたしは大学入学まで自室にこもっていた。
布団の中で、今までのことを思い浮かべて体を震わせていた。
何度も聖に謝りに行こうかと考え、断念した。
聖は大学の入学直前に退院した。
一度、部屋に来てあたしに話しかけてくれたが、あたしは内容が全く耳に入らなかった。
ちらりと聖の顔を見ると、やはりとても苦しそうな顔をしていた。
大学に入学しても聖に会うことはほとんどなく、適当に友達を作って無理やり生活を楽しむようにしていた。
自責の念は払えない。
あたしは本当に最低だ。
もう聖と昔のように笑い合うことはできない。
そうして、あたしは聖を避け続けたまま、いつの間にか大学二年の秋を迎えていた。
明日は学祭。
毎日が憂鬱だ。