フリースタイル５-5
沙織は、いつになったら気づいてくれるのだろうか？
それとも好きな男がいるとか？
恭介だったらやめとけよ、俺の方がいい男だ。
ヒカルだったらムカつくな。
「スネークはどうなの？」
沙織が俺の顔を覗き込む。
「俺？」
俺は…
好きなんだ。
君の不器用な所、素直じゃなくて情に厚い所。純粋な所。
全部、
全部独り占めしたい。
気づいたら俺は沙織にキスをしていた。
沙織の事だから絶対殴られると思った。
でも、そんなものはなく沙織はただ呆然としていた。
そうしていたと思ったら突然走り去ってしまった。
「ごめん」
っていう言葉だけを残して。