フリースタイル5-2
「達也はヘビになりたかったんだよ」
おいっ、なんで恭介が答えた?
しかも理由違うし!
あ、ちなみに達也ってのは俺の本名ね。
「へぇー。スネーク単純だね」
おおいっ、沙織!恭介の言う事を信じるなよ!
…まぁ、単純な事は否めないがな。
「でもホラ、おかげで達也ヘビになれたじゃん」
また恭介はサラッと意味わかんない事を言う。
「なぁ?」
そして俺にフるってゆー、最悪のパターンだ。
「シャーッ」
俺は沙織にむかってヘビの真似をした。
急にフられたって今はこれしか思い浮かばん。
沙織はケラケラ笑っている。
「あ、スネーク獲物!」
今度はなんだよ!
見てみると、恭介は通りすがりの男の子を指差していた。
「シャーッ」
仕方なく俺は男の子にむかってかまえた。
すると案の定男の子は泣きそうな顔で走り出してしまった。
後ろで恭介と沙織が腹をかかえて笑っている。
お前ら、なんてヤツだ…。
「ごめんねぇ!」
俺は走り去っていく男の子に叫んだ。
こんな風に俺はいつも恭介と沙織に遊ばれている。
まぁ別に嫌じゃないからいいけどね。…って俺はMか!もしくは寂しがり屋か!
まぁ、いつもこんな風にバカやってたから俺は沙織の事を100パーセント恋愛対象としてみていなかったんだ。
なのに不覚にも沙織の事を可愛いと思ってしまったのだ。
そう、あれは沙織の学校の文化祭に行った日だ。
沙織のセーラー服姿。おそらく俺は今まで沙織のスカート姿はこれしか見ていない。
そう、普段clubで粋がってても煙草吸っててもどんなにお酒強くてもやっぱり女子高生は女子高生なのだ。