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密心
【ファンタジー 官能小説】

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密心〜いのせぬとこ〜-4

「好いてます……もう離れんせんで欲しく思いんす」
「うん……俺も離れたない。せやから牡丹花魁にきいた」
「何を……?」
「身請けの方法や」


身請け……
花街からでられる…?

蔵ノ介さまのそばにいられる……?

でも、……牡丹姐さんは?

喜ばしい話なのに、……どうしても私には喜ばしいだけにならなかった

頭のなかでは散々よくしてくださった牡丹姐さんの泣き出しそうな笑顔だけがめぐっていた


幸せだと思った矢先、私は決断を迫られてしまった

先のことはまるで闇中に紛れ込んで、――見えなくなってしまった


離れたくない方がいる

この遊廓に内に牡丹花魁が

この花街の外に蔵ノ介さまが


「蔵ノ介さま……」

見上げた蔵ノ介さまの優しい目に、泣き出してしまいたかった


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