僕らの関係 残るヌクモリ。-1
放課後、幸太は一人窓の外を眺めていた。
秋も深まると紅葉もやがては色褪せ、風に攫われる。
最近、彼はどこか気が抜けていた。
学園祭が終り、実行委員という責務から解放されたからだろうと言い聞かせるも、
本心は別にある。そんな感じ。
「幸太ちゃん、お待たせ」
教室のドアを静かに閉めて、由香がやってくる。彼女は部活に行く里奈と恵を見送ってから戻ってくる。理由は里奈が二人の関係を勘ぐるためだ。
「うん、ちょっとね……それよりさ、由香ちゃん。今日もダメ?」
「えっと、アレの日だから……ゴメンね。その代わり口でしてあげるから」
手を合わせて拝みこむ彼女はぱちりとウインクをする。にっこり笑うその唇が嫌らしく舌なめずりすると、目の前のえさに見事に食いつく彼がいる。
「そっか。女の子は大変だよね。でも、僕も由香ちゃんのこと好きすぎて大変になってるんだよ? 責任取ってくれないの?」
アレの日の真相は最近知った。幸太は残念に思いながらも彼女の手を取ると、ズボンの異様なふくらみへと導き、代替行為を求める。
「もう、こんなにおっきくなってる」
はにかみ視線を伏せるわりに由香は嫌がる様子がなく、いきり立つものを撫でまわす。幸太の下半身はむず痒さを覚え、徐々に身体が熱くなる。
「ねえ、今日は何処でする? 音楽室? トイレ?」
音楽室は今頃吹奏楽部がしようしているだろう、そしてトイレは狭くて臭い。かといって教室でするにはまだ生徒が残っている。ただ、そのスリルもまた魅力的なのだが。
「んと、僕の家は?」
「え、それは……でも、今日はエッチできないよ?」
「大丈夫だよ。するのはいつもと同じことだけだよ。……それとも由香ちゃん、僕のこと信用できない?」
「そういうわけじゃないけど……うん、わかった。今日は幸太ちゃんの部屋でしてあげる」
「ほんと? ありがとう由香ちゃん!」
幸太はパッと表情を輝かせると、取るものもそこそこに彼女の手を引いて教室を出た。