僕らの関係 残るヌクモリ。-21
「ああん、恵のイジワル。喋らないから幸太君を返して……」
「ゴメンな、コウ。だしに使うようなことして。でも、先輩もちょっとだけ気の毒なところあるんだ。だからさ……我慢してくれ」
恵は幸太の頭を膝に乗せると、お酒で火照った頬を手で冷やしてくれる。
「恵?」
朱に染まる頬の恵を見るのはこれが初めてだ。恥らう彼女の表情も、自分の知らない誰かに向けられるのだろうと思うと、幸太も軽い嫉妬を覚えてしまう。
――恵の好きな人ってどんな人だろう。
「恵って誰か好きな人いるの?」
「うん、いるよ。でも、言えないんだ。その人のこと、傷つけちゃうかもしれないから」
「誰かに好きって言われたら、きっと嬉しいと思うよ。特に恵みたいにスタイルイイコはさ」
「こいつ、人の気にしてることを……、でもさ、そういうの、ダメなことってあるんだ。幸太にはわからないだろうけどな」
「あらいいじゃない? 幸太君は優しいから、恵のことだってきっと理解してくれるわよ」
「あー、そこが問題じゃなくって……、とにかく、幸太には自分で言いますよ」
恵が何に戸惑っているのかは美雪にもわからないらしく、サオの曲がり具合に沿って首を傾げる。
「ああん……ユッキー、すごいよ、僕、もういきそ……」
快感に身を丸める幸太は恵の豊満な胸元に顔を埋め、その柔らかさを堪能する。
「まあ、幸太君ったらやっぱりエッチな子、そんなに恵のオッパイ好きなの?」
「だって、ユッキーが僕のこと苛めるんだもん。ねえ、恵、いいでしょ? ダメ?」
谷間から顔を出し、上目遣いに彼女を見つめると、恵はいつもの厳しい目付きを柔らかく垂らし、「特別だぞ」と頭を撫でる。
「幸太が女の子なら良かったのに……」
「そうかなあ、幸太君が男の子の方が恵にも都合良くない?」
「んー、どっちかって言うと、あっちが立つとこっちが立たないっていうか、一長一短なんですよ」
「複雑ね、恵も……」
美雪は何かを理解したのかフンフンと頷くと、幸太の陰茎を弄ること作業に戻る。
彼女が制服のスカートを捲ると、エメラルドグリーンに輝くレースのショーツが顔を出す。地味なデザインだが、肌ざわりが良さそうなそれに、幸太は思わず手を伸ばす。
「やん、幸太君ったら、おさわり禁止」
「だって、ユッキーするんでしょ? 僕と、エッチ……」
「うん。だって、お口だけじゃ満足できないもん」
「じゃあ、いいじゃん」
「やー、恥ずかしいもん」
「今更?」
「それに、恵がね……」
「先輩はそういう風に見てませんから、安心してください」
「あらら、残念。寂しいわ」
頭上を飛び交う会話はまたも理解不能。だが、幸太はこれから始まるであろう、出来事に胸を高鳴らせてしまう。しかし、鞄を手繰り寄せる美雪は焦ったようにそれをひっくり返す。