僕らの関係 残るヌクモリ。-19
「ケイ、ダメだよもう」
「あら、一杯でダウン? やっぱり……」
挑発に乗るのは格好悪いと思いつつ、むしろそれをいいわけにして不法行為を続ける幸太。苦味と甘みの絡み合う芳醇な濁り水を、幸太は純粋に欲していた。
二杯目を一気に飲むと、酔いが回ってきたのか、体が熱くなり、頭がふらふらする。
「ささ、もう一杯、かけつけ三杯、これ日本の常識ね」
「そう? じゃあもう一杯だけ……」
「幸太君、お酒はゆっくり呑むのよ? あんまり早いと嫌われちゃうよ?」
「はーい」
いつの間にか隣に座っていた美雪は優しそうな視線をむけるので、つい由香に甘える感覚で返事をしてしまい、そのまま彼女に倒れこんでしまう。
「おいおい、コウ、そんなになっちゃ……」
幼馴染の酩酊振りに慌てたのか、恵は幸太を抱き起こそうとする。
「まあまあ、私は平気だし……」
美雪は膝に突っ伏す幸太の額に軽く触れる。
――ひんやりして気持ちいいなあ、美雪さんの手。僕、誤解してたけど、結構いい人じゃないのかな?
「……幸太君、デザート食べたいな」
冷蔵庫にはアイスがあったはず。今の火照った身体には丁度よいかもしれない。しかし、下半身にも酔いが回ったのか、いう事をきいてくれそうに無い。
「アイスでいいですか? 恵、わるいけど、冷蔵庫に……、恵?」
いつの間にか恵の姿が無い。美雪は幸太をソファに寝かせると、立ち上がり、幸太の下半身に顔を近づける。
「阿川先輩?」
「ユッキーって呼んでよ」
「ユッキー?」
「なあに、幸太君」
「何する気?」
「んとね、デザート食べるの」
「だって、デザートは冷凍庫に……」
「違うの。私の食べたいデザートは幸太君の包茎チ○ポなの……」
――やっぱり悪い人だ!
その下から現れた淫靡な細目が、幸太を射抜いていた。