未完成恋愛シンドローム - Crazy Children --21
「またお漏らし?」
揶揄するような口調のコタローに、反論する気力もなかった。
「やべ・・・」
「ふぁあああっ?!」
更にコタローの動きが激しくなる。
「だめっ!溶けるからっ!!溶けちゃうからあっ!!!」
比喩でもなんでもなく、腰も背骨も頭ん中も、全部が溶けてる気がする。
―じゅぽっじゅぽっ、ぐぢゅぐりっ
「ああああああ!!」
「っ、このまま、イくで・・・っ」
コタローの動きが止まる。
「ふぐ、ぅ・・っ」
奥の奥までちん○んが叩きこまれ、同時に中の壁に高圧のシャワーみたいな精液が当たるのが判る。
「コレ、女の子やったら絶対妊娠してるよな・・・」
歪む視界の中、目に入ったコタローの顔が苦笑いを浮かべている。
「ふぁ・・・は・・ゃ・・・・」
何度も何度も壁に当たる射精の感触と、中に溜まって行く感覚に完全に思考を溶かされて、もうなにも言えなかった。
「立てる?」
「訳ないやろ・・・」
情事の後。
乱れた胴着を直して立ち上がったコタローとは対照的に、身も心もボロボロ状態のオレは、ズボンは履いてるものの、Yシャツのボタンすら止めていない。
「荷物取ってくるから、その間服着ときや」
「んー・・・」
誰のせいで着れてないのか判ってないのか、完全無自覚な発言。
が、最早ツッコミを入れる気力もなく、どうとでも取れる返事をする。
「判った?」
座り込んだまま、なんのモーションも表さないオレに、しゃがみこんで顔を覗き込むコタロー。
「判ったって・・」
取り敢えず返事を返す。
瞼が重い。
―ちゅっ
「―んむ・・」
口唇に触れる柔らかい感触。
いつの間にか閉じていた瞳を開けると、目の前にコタローの顔がある。
「お姫さまはコレで起きんねんで」
最後に口唇を軽く舐め、コタローの顔が離れる。
「アホか」
またバカなことを言い始めたコタローに、苦笑いを浮かべて言い放つ。
「それにオレは、姫さまじゃなくて王子さまな」
―まぁ、アホなんはオレもやな。
「あはは」
笑いながら、コタローの掌が頭を撫でてくる。
「んじゃ、ちょっと待っててな」
そう言って立ち上がり、そのまま階段を降りていく。コタロー
「・・・努力はする」
オレはその姿を見送りながら、呟くように言った。
・・・・・。
―暖かい。
何かに包まれてるような感じ。
といって、身体全部が暖かい訳じゃない。
現に、『それ』が触れていない所は、芯から冷えてるみたいに感覚がない。
「・・・・?」
『オレ』は瞳を開ける。
誰かが、オレのことを抱いている。
「―――」
―え?
なにかを言われた気がするのに、よく聞き取れない。
「ん・・・」
目が段々慣れてきたのか、視界が開けてくる。